ハルキストじゃないけれど

村上春樹さんの『猫を棄てる』を読んだ。
なんというタイトルだろうかと思って手に取ったのだよ。

ハルキストじゃないし、そもそも『蛍、納屋』しか読んだことなかった。
だから西宮のご出身とかなんの情報も知らず。

お父様との確執も知らなかった。
でも文章化することで、その父親とのわだかまりや、心にある愛憎のようなものが浄化されているのかもなんて月並みなこと感じた。

それから小林秀雄を思い出した。
彼の本を読んでいるときのような、文章が自分に入ってまた出ていく不思議な感覚にとらわれたから。

内容は、我が家の祖父にもあるような
昭和のある家庭なら抱えているようなことなのかもしれない。特に戦争との個人としての関わりは私の祖父の経験にそっくりだ。

あと、私も野良猫が我が家に棲みついたので、抱っこして近くの公園に放してきたら、先に家に帰っていたことがあった。
もちろんそのまま我が家の愛猫となったわけだけど。

棄てるということ自体世の中との関わりがある以上、どこにも存在できない概念なのかもしれない。

そして、読み終わった後まで心にカケラが残った。また読もう、そのうち。
村上春樹さん。