【業者は不要!?】カメラ初心者がイベントの記録撮影を行うコツ
気軽に4Kで撮影できるハンディカムが安価に手に入るこの時代、イベントや大切な瞬間を記録するのに、果たして業者に頼む必要はあるのか?
今回は動画制作会社の弊社リップルアートが、「普段はほとんどカメラを触らないが、大事なイベントを動画で記録したい!」というカメラ初心者の方に向けて、イベントの記録撮影を成功させるコツについてお話していきたいと思います。
以下の内容を意識して、その通り撮影することで、わざわざ業者に頼まなくても、後で見返しても感動のよみがえる、素敵な記録映像を作ることができるかと思います。
カメラを止めろ!
あの話題作も、公開からすでに3年が経過しているということに驚きました。
カメラ初心者の記録撮影では、『カメラを止めるな!』ではなく「カメラを止めろ!」が正解です。
というのも、後で出来上がった動画を見直す時に分かるかと思いますが、カメラは止まっていた方が格段に見やすいからです。
動画撮影において「カメラワーク」という言葉がありますが、撮影時にカメラを動かすというのは、カメラマンにとっての「技」です。
初心者の方がカメラをむやみに動かしてしまうと、見ている側としては視界が定まらず、場合によっては見ているだけで酔ってしまいます。
もちろん映したいものを画角に収めることは大切ですが、なるべくカメラは慎重に動かすようにしましょう。
また手振れも動画を見ている側には非常に気になる要素となってしまうので、なるべくカメラは三脚に載せるようにしましょう。
「撮れてなかった」を防ぐ
記録撮影で最も恐ろしいミスが「映ってなかった、撮れてなかった」ということです。
先ほどお話したように、カメラは極力動かさない方がいいため、カメラを三脚に載せてるのがベストです。
かつ被写体が動いてもなるべくカメラを動かさなくても映っているようにするため、少し遠い位置から引き画にしておくのが吉と言えるでしょう。
これでひとまずは、動かさなくても常に被写体を画角に収めているカメラができたため、そのイベントを記録するという点では安心できます。
しかし、これではそのイベントで本当に見たい部分や特定の人物が遠くから小さく映っているだけで、後で見返したときに感動がよみがえってくる動画にはなっていません。
2台以上のカメラで撮影する
そのため、この引きのカメラを固定で置いておいて、もう一台のカメラを手持ちで使い、そのイベントの「本当に映したい部分」を集中的に撮影します。
こちらの手持ちカメラはある程度動かしても構いませんし、不意のミスで撮れていなかったとしても何とかなります。そのための引きの固定カメラです。
カメラ2台の役割を1台のカメラで済まそうとすると、事故が起きたり、後で見返しても何も伝わらない動画になる原因となります。
最低2台は必ず用意しましょう。
どうしてもカメラが1台しか用意できない場合、スマートフォンのカメラでもいいので、使えるものはとにかく利用してください。
画質や音質が劣ったり、途中で収録が止まってしまうかもしれませんが、ないよりはマシです。
また、写真用の一眼カメラを記録撮影で使用する場合は、30分で収録が止まってしまうものが多いため、事前に必ずチェックしておきましょう。
この2台のカメラの撮影データを編集することで、「イベントの全体の流れを見たいときは固定カメラ、特定の部分に注目するときは手持ちのカメラ」というようにマルチカメラ編集が可能となります。
これにより、全体の流れを把握しつつ、感動の瞬間や細かな表情、出来事をしっかりと記録に残した動画になります。
また、カメラの台数はできる限り多い方が失敗も少なく、当日の様子を伝えることができます。
例えば、4台のカメラを2人で使用して撮影するなら
・カメラ1(無人):会場全体が映るように固定で撮影
・カメラ2(無人):舞台などの出来事が起こる場所を固定で撮影
・カメラ3(有人):広範囲をあまりカメラを動かさないように撮影
・カメラ4(有人):主役の顔や注目すべきところに寄って撮影
といった形で、ここまでの体制で撮影することができれば、初心者の方でも失敗が少なく、かつ見ごたえのある動画を撮影することができると思います。
また、カメラ4台分のデータは、容量も編集時の負荷も膨大となりますので、それに対応した記録メディアや編集PCが必要となりますのでご注意ください。
音の収録に注意
イベント撮影において、時に音は映像よりも重要になってくるケースがあります。
例えばスピーチですと、話している姿は記録できていても、何を話しているか聞き取れなければ、全く記録の意味を成しません。
そのため、カメラだからといって映像だけに気を取られるのではなく、音の収録にも十分に気を使いましょう。
基本的に家庭用ハンディカムは、カメラの周囲の音をまんべんなく拾うため、撮影している場所によっては、スピーチなどの音声が会場の音にかき消されてしまう場合が多々あります。
その対策としては
・指向性のある外部マイクを使用する
・舞台等の音の発生源に近い場所で撮影する
・会場の音声データをレコーダーで受ける
→会場の許可が必要
以上のようなことが挙げられます。
最も安定して高品質な音声で収録できるのは、会場の音声データをこちらで用意したレコーダーで受ける方法です。
ただしこの方法の注意点として、まず会場側に許可を取る必要があります。
無断で会場側の音響設備から音を盗ることは絶対にやめましょう。
また、その会場の設備によってケーブルの端子や形式が異なる場合があるため、音響の知識や機材が必要となります。
さらに会場側のデータだけでは、歓声やマイクから以外の音を拾うことができないため、やはりカメラ側のマイクも必須となります。
会場からもらう音声データに、カメラマイクのデータをミックスすることで、必要な音をしっかりと記録しつつ、その場の雰囲気となるような音もしっかり出すことができ、当日の記憶をより良い形で残すことが可能です。
事前の準備で8割が決まる
記録撮影はイベントが始まってしまえば、こちら側では一切コントロールできず、「待って」ができない撮影です。
そのため、事前にどれだけ万全な体制を整えられるかで、その動画のクオリティの8割が決まるといっても過言ではありません。
とにかく事前に集められるだけ情報を集めるようにしましょう。
会場の間取り、当日の流れ、電源の場所、客席等の配置、音響機材のボリュームなどなど、知っておいた方がいい情報は山のようにあります。
また、そのどれもが事前に把握しておかなければ撮影に失敗してしまう可能性を持っています。
例えば
・客席の配置→カメラが置けないかもしれない
・電源の場所→電源が取れず、バッテリーが切れたら終わり
・会場の音量→小さすぎたり、割れた状態で収録してしまうかもしれない
・当日の人の動き→撮れない場所に移動してしまうかもしれない
といったように、どれもイベントの間際に知ってしまった場合、致命的なミスに繋がってしまいます。
そのため事前の情報収集と、万全な準備を怠らないようにしましょう。
最低限、カメラの位置・電源の確保・当日のスケジュールは前日までに万全な状態にしておきましょう。
また当日会場では、カメラの設定(水平や色、明るさ、録音レベル、照明がチカチカしていないか→シャッタースピードを1/50、1/60、1/100、1/120にしてみる)や記録メディアに不備がないかは、確実にチェックしておいてください。
どうですか?撮れそうですか?
上記の内容は守ったうえで撮影すれば、ひとまずはイベントをしっかりとした形で記録することができるはずです。
そしてここまで読んだ方は「わざと難しく書いて、業者に頼ませようとしてるんでしょ?」と思うかもしれません。
ですが、本当にこれが最低限です。
後で見返したときに感動が蘇ってくる動画、ここまでやって何とか最低限の形になります。
また、この記事では編集についてはお話ししていませんが、テロップやタイトル、場面の切り替わりなどを含めると、時間にしておよそ撮影の5倍~10倍はかかります。
ましてや編集初心者の方では方法を勉強しながらになるので、さらに時間がかかるはずです。
もちろんカメラ一台をイベントの最初から最後まで回しておけば、それも記録撮影と呼ぶことはできます。
ですが、後で見返したときにしっかりと形に残しておくには、ここまでやらなければいけません。
確かにカメラや機材が進化してきて、誰でも簡単に撮影できる時代になってきました。
ですが記録撮影は想像以上に大変で、なおかつミスが許されません。
人生で二度とない大事なイベント、思い出を形に残すのは業者にお願いしてみるのも悪くないかもしれません。