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三流カメラマン戦記 -下積み編②-


スタジオの機材について。

スタジオにはデジタル一眼レフの他に、HasselbladのH2という中判カメラが備えられていた。
正直私はスタジオに来るまで中判or大判カメラの存在を知らなかったので、何だか変なかたちのカメラだなーというのが第一印象だった。

ある時、中版カメラでポートレートを撮っているのを見たが、その圧倒的な描写力に只々圧倒された。
もし私がカメラと出会った時点でこの存在を知っていたら、恐らく中判カメラの道を歩んだのではないだろうか。

と思うのも束の間、かなり扱いづらい代物でもあった。
カメラとPCをケーブルで接続しながら撮影をするのだが、高確率でソフトが落ちる。
その度にPCを再起動したりで10分程撮影がストップしてテンポが非常に悪かった。
その度にモデルさんに一回引っ込んでもらっていう展開が多すぎて、何回か業者の方を呼んでもこの問題は解決することがなかった。

原因がカメラなのか、PCなのか、ソフトなのか、ケーブルなのかが不明で、
トラブルが起きるたびに現場の空気が冷ややかになる中、復旧作業をするが最終的には結局一眼レフを使う場合もあった。

それに加え、中判カメラは本当に高価で本体で200〜300万円で、レンズが1本80万円の世界なので、まるで我が子を抱くように機材を扱わなければいけなかった。
おまけに重い。こんなカメラ趣味で使っちゃ駄目だ…。
(実は一度だけ、スタジオ近くで知人を中判カメラで撮影したことがあるのだが、重すぎてブレる。さらに画質が良すぎるため、ブレがまた目立つ)
 
クライアントから機材を指定されてる訳でもないし、そんなに大きく伸ばすような写真でもないのに、どうしてそんなリスクまみれのカメラ使うの?という疑問が生まれる。

見栄である。
これはカメラマンにとって欠かせない要素であり、非常に厄介なものだ。

これについてはまたいつか記事を書ければいいと思う。

※余談だが、私がスタジオで働き始めて退職するまでの2年間、社長がフィルムカメラを使用することはなかった。2012、2013年頃だから当然かもしれないが、一度は仕事でのフィルム撮影を経験したかった。


今更ながら、記事内で画像を貼る機能を見つけたので、今後は貼っていきたい。

次回に続く

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