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素敵な異性を見つけたときにすることは考えることか出走することか。

 遠くから覗くきれいな女性は目の前に来ることはない。遠くで移動を繰り返している雲のように移動して彼方へ消えて景色と一体となっていく。彼女の鼻筋はスッと通っており、アーモンド形の瞳は少しだけたれ目で色気を溢れさせている。鏡から見た自分だけではない。360度どこを見られてもいいようにルックスに気を使っているのが分かる。

 ルックスに気を使うときに忘れがちなのは「えりあし」だが、きれいに後頭部にアップまとめられた髪から覗く襟足は整えられた洗練も見せながら残りの毛が自然の曲線美を感じさせる。「えりあし」が整いすぎていると人工物の不自然さが美しさを妨げてしまう。ヘルメットかと思う「えりあし」には美しさを感じる人間は少ないだろう。

 また、彼女の美しさは内部からにじみ出る自信にも表れている。その身を整えている自信というよりも、生まれた時から「かわいい」「きれい」男性からモテただろう芸能人には及ばないが女性として「上位」の存在であることを自覚しているその自信が表情やその姿勢、サンダルを履くそのつま先にまでいきわたっている。気さくな受け答えができるのも自信の裏返しだ。

 思春期における人間関係の気さくさの皆無という点においていうなら自信のなさから由来するものだろう。恥ずかしい、どう受け答えししたらいいのか自分自身をとらえられていない自信のなさが思春期にはある。遠くに見ている女性は30代後半か40歳くらい。それでも上品に明るく染め上げられたシアーピンクブラウンは肌をトーンアップしてその自信も上げてくれるように上品だ。

一人でながめていると何となく独身のような気がして、話しかけなくても誰かに取られないと思ってしまうのは持てない男性の思考である。誰かに取られないどころではない。遠くから眺めてきれいだと思っていた女性は17歳の娘がいる。もうすでに結婚しており、子どもまで設けていることに驚くのも持てない男性の驚き方だろう。

これだけのルックスと自信からくるコミュニケーション能力を有する彼女に群がらない男性はいない。強い男性のみ受付中。そんな風ではないが、「有能な人の方がいいな」という雰囲気が彼女からにじみ出ていた。

恋愛は早い者勝ちのレースだ。

誰よりも速く彼女にたどり着いたからと言って振られてしまうこともある限り、早くたどり着けばよいというものでもない。ただし、誰よりも速く辿り着かないとほかのだれかに取られてしまう。ぼうっとしていると気付いたときには彼女は結婚して17歳になる娘を連れているかもしれない。そう、男はぼうっとしている時間はない。恋愛レースにエントリーしたなら、いいと思ったら声をかける。声をかけたからと言って良い結果が待っているとは限らないし、身の丈に合った提案を世の中から提示され続けるかもしれない。受精するか分からない精子たちが大群になってひとつの卵子に向かうように生理的な推進力をもって立ち行かなければ恋愛のレースに勝つことはできないのかもしれない。

優位な遺伝子が勝っていく。

最近の若い者は恋愛をしないなんて嘆かわしい。という高齢者は多いが、人口問題研究所の第14回出生動向基本調査によると恋人として交際している異性がいる女性は1987年調査においては26.2%に対して2010年では30.9%と躍進しており、女性の恋愛傾向は強いといえる。男性も恋人として交際している異性がいるでは1987年19.4%から2010年では22.8%ということで恋愛している異性は多くなっている。


https://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou14_s/doukou14_s.asp

早い者勝ちの恋愛レースでは優秀な遺伝子から売れ行き売れ残りの遺伝子は淘汰される。

そう考えているうちに視界に映っていた彼女がどこかに消えた。彼方に行ったかもしれないし、同じ町に住んでいるかもしれない。近所ということはないだろう。

視界から覗くだけでは恋愛には発展しない。モテない男子はどうしたら彼女のような女性と恋愛ができるのか。少なくとも人口問題を心配するというようなマクロの目線では彼女は消えるのみだということをここに記しておこう。

ではでは~。

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