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パリとおトイレ

 憧れの都パリ!に行ってきました。パリといえば花の都なんて呼ばれるほど華やかな都市で(余談ですが日本以外ではあまりパリのことを「花の都」とは呼ばないようですね。「花の都」といえばフィレンツェを指します。)、多くの人の憧れの街No.1として長いこと君臨し続けているのではないでしょうか。実際のパリはなかなかすべてが華やかとはいかず、理想と現実のギャップにショックを受けてしまう「パリ症候群」なんてものもあるそうです。私はそれほど多くの期待をパリにしていませんでしたが、パリを語らずしてヨーロッパを語ることはできません。私の非常に短いパリ滞在で思ったことを書き記しておきます。
※2023年2月時点の情報です。

朝日に照らされるサン・ラザール駅

パリは3K!?

 以前とある動画にてフランス出身の方がパリは3K(くさい・きたない・こわい)だよと仰っていたのを見かけました。事前の情報収集でもスリ被害がかなり多いことなどを聞いていたので、非常に警戒していた結果、私は特に被害はありませんでした(まあ4日間程度しか活動してないし)。パリでは地下鉄で未成年がチームでスリを行ったり、モンマルトルの丘周辺では無理やりミサンガを手に巻いてきて金額を要求されたりするそうです。その前評判にビビり、モンマルトルにはいきませんでした(特に『アメリ』も見てないし)。遅い時間は活動しないようにしていたので、地下鉄でも怪しい人物を見かけることはありませんでした。今はコロナ渦明けもあって、犯罪者集団も本腰を入れていないのかもしれません。幸い私は怖い思いをしないですみましたが、パリに行く際はくれぐれもお気を付けください。

くさい・きたない

 「こわい」はともかく、「くさい・きたない」は本当です。日本だとありえないレベルで道にゴミが落ちています(ゴミ箱たくさんあるのに!)。一番多いのがたばこの吸い殻です。そもそも喫煙者の数がめちゃくちゃ多い印象で、歩きたばこをしている人がかなり多いです(違法ではないです)。街中を歩いているとオフィスから出てたばこ休憩しているパリジャン・パリジェンヌの姿をたくさん見ることができます。ルーブル美術館の館内カフェに並んでいた時に、カフェの従業員のおじさんがルーブルのテラスという世界一贅沢な場所でたばこを吸っている様子を見ることができました。

広い意味で言えばおじさんの大いなる喫煙所

そして吸い終わったたばこは道のその辺にある水たまりにみんな投げ捨てていきます。この水たまりはまさか下水が漏れ出てたりしないよな…と恐怖におののいていましたが、市の清掃員の方がたばこの吸い殻を下水に落とすために水を流しているそうなので、その水が道々にたまっているもののようです(どっちにせよどうなんだという話ではありますが)。

 臭いに関してですが、パリを歩いているとなぜか所々でおし〇この臭いがします。検索してみるとパリ在住の方がブログで度々言及されているのがわかったのですが、これは実際におし〇このようです。後にも書くつもりでしたが、パリは本当にトイレが少ない!のでその辺でしてしまう人が大勢いるそうです。メトロの一角などは、立ちシ〇ンスポットと化している場所もあるらしく日本人の衛生感覚とは遠く離れた異国情緒を感じることができます。上述の水たまりは普通におし〇このこともあるので、絶対に触れないことをお勧めします。ただどこを歩いても街が常に悪臭に包まれているわけではなく、我々が想像するパリの香水の匂いがするところも当然あります。その二面性もパリの面白いところかもしれません。

犬の街

 パリでは犬の散歩をしている人をめちゃくちゃよく見かけました。パリジャンの犬好きは数百年前からの伝統らしく、犬を飼う人にとっては天国のような環境です。吠えられることもなくおとなしーくしているため、お店にも犬連れで入る人が普通にいます。ちなみに野犬や野良猫などは全く見かけませんでした。
 だがしかし、とにかく道にフンが多い!飼い主のパリジャンたちは犬のフンを拾いたがらないらしいのですが、調べてみるとこれでも規制が増えてかなり減ってきたようではあります。ただ日本人の目線で見るとかなり多いので、ご注意ください。日本でのハトのフンと同じくらい落ちている印象です。

プティ・カロー通り入口
かなり素敵な犬の散歩コースですね

パリの屋内事情

 パリは緯度が北海道よりも高く、やはり冬はかなり冷えます。ただ北海道並みに寒いかといえばそんなことはありません。東京でちょっと寒い日がパリの普通の日くらいでしょうか。ただ屋内はかなり暖かい印象でした。冬は暖房を建物ごと管理しており、一括で暖めているそうです。そのためホテルの部屋ごとの気温調整などはできませんが、非常に暖かいので観光の際は服装は着脱のしやすい恰好がおすすめです。私の宿泊したホテルは暖かいどころか暑いレベル(28℃くらいあった気がします)で、部屋ではほとんど服を着ることができないほどでした…。次行くときは部屋着として半袖をもっていくかもしれません。

トイレについて

 パリはとにかくトイレが少ないです。ヨーロッパの国だと公衆トイレの使用にお金がかかったり、数が少なかったりするのは珍しくないですが、パリは自分の経験上最もトイレが少ない(&汚い)です。ルーブル美術館のような巨大施設では、各階の展示室にいくつかトイレがありましたが、それも基本的にはそれぞれ個室が一部屋あるのみです。肌感覚的には日本の1/10程度くらいしかトイレがないと思っておいたほうがいいです。そのため大きな観光地やカフェ、レストランに寄った時には必ずトイレに寄ったほうがいいのですが、観光地のトイレも結構な確率で使用できません。小便器にはなぜか黒いシートが被せられ、大便器は先達が勇敢にも挑戦し、水洗できなかったことが推測できる状況で残されていたりします。ロンドンに行ったときも公衆トイレでお金を払ったりしてイライラした記憶(その割に綺麗じゃない)がありますが、用を足せなかったことはあまりなかった気がします。

ホテルのトイレ
背面にある2つのボタンが洗浄ボタン。こう見るとスタイリッシュかも。
水量のわりにペーパーが流れなかったりする。

 公衆トイレという手もあります。日本のものとは違い、男女共用で個室が一つある形式です。今回深く調べずに入ってみてしまいましたが、私は用を足した後どうしても洗浄ができず半泣きで個室から出ました。後ろで待っていたおじさんに申し訳なさを感じながら、逃げるようにその場を去りました。実は後から知ったのですが、パリの公衆トイレは使用後個室を出ると自動的に洗浄されるようです。私が出た後、おじさんが個室に入らずにずっと待っている様子だった理由がわかりました。使用後はしばらく洗浄中となってすぐには入れない仕組みになっているそうです。知らずに待っていると前の人が出てきた瞬間に個室に入れないこともないのですが、場所によっては床も水で洗浄したりするそうなので大変な目にあいますので気を付けましょう。

数々の文豪が愛したパリを代表するカフェ「カフェ・ドゥ・フロール」
私が半泣きになった公衆トイレはこの奥。
観光地のど真ん中でトイレが流せず半泣きになる大人の気持ちを想像してほしい。

シャワーについて

 シャワーの水圧問題も海外旅行時に気になることかもしれません。またパリではお湯を大量に使うと出てこなくなるホテルもあるそうです。幸いシャワーに関してはそこまで違和感はありませんでした。お湯が出るスピードがめちゃくちゃ速く、毎日結構長めにシャワーを浴びていましたが全く問題ありません。浴槽にためるとどうなるのかわかりませんが。ただ個人的にはドライヤーが見たことないタイプでした。フランスでは一般的なのか、ヨーロッパではよくあるのかわかりません。

外すと風がでるドライヤー。結構乾かすのがむずかしい。風量は意外とある。

おわりに

 本当はもともとこの後にパリで楽しかった話や美術館の話を書こうと思っていましたが、トイレの後に何を書いても台無しだなと思ったのでやめました。
 この記事の最後で説得力がないかもしれませんが、パリは良い街ですほんとに
 私の好きな漫画『アルティスト』では、パリに住む日本人漫画家アキオがパリに馴染めずボロクソに言う様子が描かれていますが、次第にそこでの暮らしに楽しさを見出していきます。住めば都ともいうのかもしれませんが、それでもやはり人を惹きつけて離さない魅力がパリという街にはあるのでしょう。アキオの言う通り、なんといっても街並みは綺麗だし。

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