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イスラエルの食事事情

時折、書いてますが、イスラエルの食事事情について書いてみようと思いました。ユダヤ教の教えから様々なルールがあります。大きく分けて、清い食べ物と汚い食べ物といえばわかりやすいと思います。ここではコーシェルという言葉があり、ユダヤ教の教えから選ばれた食品のことをそう呼びます。

また組み合わせもあり、肉とミルクを混ぜてはいけません。畑などもきちんとコーシェルのルールに沿っていない場所で作られた場合は認められません。スーパーで売ってあるほぼすべての食品にはコーシェルマークというものがあり、僕の受け止めているのは、品質の安全も兼ねたユダヤ人の衛生的な部分も兼ねていると思います。

ただユダヤ人による多民族国家なので、もちろんそうでない食品も普通に購入ができます。豚肉はタブー中のタブーですが、普通に購入できます。豚肉という表記ではなく、”他の肉”という形で記入されており、購入後のレシートには、白い牛肉という風に書かれています。

また現代の様々な理由から食事の取り方は様々です。ベジタリアン、ビーガンなど、宗教上の理由を除いてもかなり人によって違います。公邸料理人時代は、ここにかなり泣かされました。例えば10名の方の夕食を作る際に、皆さんほとんどの方があらゆる理由で食事制限があります。宗教上の制限や、食事の考え方、アレルギーなど様々で、まさに十人十色でした。そんな方々の食事を対応していくのは、なかなか困難なことが多く、また和食という料理の枠に収めるというのはなかなかの至難でした。

僕は好き嫌いや食べれないものがなく、何でも食べるほうです。強いていうなら昆虫食は勘弁というくらい。珍しいものはとりあえず食べますし、口に合わなくてもそれはそれで楽しいものです。幼少期の頃、僕の家で好き嫌いを言うと、ゲンコツでしたが、ここイスラエルも年配の方はそう行った好き嫌いを嫌います。ですが、現代の食事に対する考え方はかなり変化があったように思います。

様々なアレルギー、宗教上の制限、食事の考え方からの制限など、現代の食生活は、その豊かさにより、大きな変化があったと思います。時折、その変化に否定的なコメントはありますが、僕は実は賛成派です。食の多様性が当たり前になった現代で、自分にあった食事方法を選ぶのは当たり前の選択と思っています。自身の体にあった食、考えにあった食というのは素晴らしいものと思います。その豊かな食生活は今日までの先人が生み出してきたものだと思います。その中で、今後食生活をどう守っていくか、資源を大事にしていくかというのは、僕たち世代の課題だと思います。

イスラエルは食材がとても豊富な国だと思います。時代もあると思いますが、スーパーに行けば多くの野菜や食品が売られており、特殊なものもかなりあります。日本大好きのイスラエルでは生わさびも生産されており、多彩な野菜にはびっくりします。特にフルーツは豊富で、イチジクがではじめたなとか、梨がではじめたなとか季節感を多く感じます。ですが、この国は砂漠のど真ん中にあります。日本でマイムマイムという歌を幼少期の頃から耳にしており、日本人の我々には聞き慣れた歌ですが、これはイスラエルの井戸を掘って水が湧いた!って歌です。それだけ先人がここに農業を生み出したというのが、建国から今との違いがあるのだと思います。また食肉、鮮魚も充実しているのは多くのイスラエル人が食を愛しているというのが根本にあるのだと思います。イスラエル人の友人と話をしていると、政治と食の話は本当に終わりがありませんw




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