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無名のスタートアップがお金をかけずにビッグワードで上位表示できた話

こんにちは。マーケティングやプロダクト開発のコンサルや顧問をしている井上(@funkfull1)です。

自己紹介:主に事業会社のマーケティング戦略やプロダクト開発のコンサルや顧問してます。マーケ歴12年目。広告代理店→WEBサービス事業会社でマーケ責任者&事業部長→独立。今は数社の顧問や自社事業を経営。
実績は、WEBサービスの支援で2年で年商0→5億円、LCCの支援で2ヶ月で売上0→1億円など。
マイブームはザバスのリッチショコラ味に青汁を混ぜて飲むこと(スタバの抹茶ティーラテに味が似てて美味いです。お試しあれ)

以前携わった仕事で、そこは無名のスタートアップだったのですが、アイデアを活かして競合と比べほとんどお金をかけずに、レッドオーシャン市場のビッグワードで上位表示させることができました。

私はそこで、ビッグワードで検索上位にするアイデアを発案し、結果に結びついたので、その経緯を共有したいと思います。

(普段私はマーケティングの戦略に関わることが多いのですが、割と戦術にも関わっているので、戦略から戦術に落とし込む所などもお伝えできれば)


背景・前提

私はとある車買取系サービスを行う、創業まもないスタートアップでマーケティングをしており、当時検索順位はビッグワードではもちろん圏外、商標以外もほぼ圏外、といった状況でした。

競合はカーセンサーやガリバーやグーネットなど、いわゆるプライム企業ばかりで、超レッドオーシャンと言われる市場です。

ヒト・モノ・カネなどは競合に大きく劣る中で、事業をグロースさせなければいけない、というのが私のミッションでした。

そのスタートアップは資金調達をしていたものの、マーケティングにさける資金はそこまで多くはなく(TVCMなどはとうてい不可能な額)、メンバーもかなり少ない人数で運営していました。

車買取のサービスを利用するユーザーは、ネット検索経由で査定を申し込むユーザーも多くいた為、SEOでグロースできる方法はないかと思ったことがきっかけでした。

3C分析とユーザーインタビュー

車買取サービスのSEOを改善するため、まず私が行ったのは3C分析でした。

自社の状況は、当時リスティングでの査定獲得を強化しており、顧客データは少しづつ集まっている状況でしたが、それ以外の流入経路がほぼ無く、売上も伸び悩んでいるところでした。

競合の状況は、前述の通りプライム企業がブイブイいわせており、SEOにも多くの投資がされていて、SEO対策費用やSEOに効果のあるTVCMなどの費用を合わせると、ゆうに数億は超える資金投入が各社でされている状況でした。

市場の状況は、SEOにおける「車買取」のキーワードでは、車買取サービスの紹介ページの他に、「買取相場」のコンテンツ(車の買取額の相場を教えてくれるコンテンツ)が徐々に検索上位に入ってきているところでした。

ただ、その「買取相場」のコンテンツは精度が荒く、例えばトヨタ アクアの買取相場は以下のような内容でした。

「トヨタ アクア」の買取相場
202◯年◯月現在の平均買取相場は
76〜140万円です!
※金額は一例

買取相場の上限と下限の金額幅が「76〜140万円」と、あまりにも差が大きすぎて、ほとんど参考にならず、ユーザーインタビューをしても同様の声が多かったです。

※私が3C分析とユーザーインタビューをあえて切り分けているのは、3C分析は生産者視点になりがちで、ユーザーインタビューは必ず顧客視点になるので、なるべく分けて考えると効率が良いためです。(マーケティングは顧客視点が必須なため)

新しいアイデア

こういった状況の中で、新しいアイデアを作るときは、いつも以下の本を参考にしています。

これによると、新しいアイデアは「既存の要素 ✕ 既存の要素」からしか生まれない、とあります。

そこで、上記の方法でいくつかの仮説を作った中で、筋の良い仮説が出てきました。

それは、これまでに自社で集めてきた、実際の買取金額や車両情報を含む顧客データ(顧客に許可を取った情報のみ)を活かした、リアルな買取相場でした。

より正確な買取相場を知りたいユーザー

顧客の車両データを活かした実際の買取金額によるリアルな買取相場

例えば、トヨタ アクアの買取相場を知りたいユーザーに、自社で買い取ったトヨタ アクアの実際の買取金額をいくつも提示する、というのものでした。

仮説の評価

筋の良いアイデアが生まれたら、次は仮説の評価を行います。

評価は基本的に「想定効果」「想定費用&工数」「最悪のケース」などを算出します。(他にもありますが長くなるので割愛)

今回は「想定費用&工数」はTVCMなどもやらずエンジニアの稼働が中心となるため安めに抑えることができました。

「想定効果」も申し分ない数値、「最悪のケース」も費用と工数分だけの損失で済むので、実装して検証するに値する仮説と導きました。

さらに、数名のユーザーに仮説についてインタビューして、良い反応が返ってきましたので、実装の後押しとなりました。

ここからは難易度が下がるので、後任にバトンタッチし、実装を進めてもらいました。

結果

実装から数ヶ月経ち、なんと、並みいるプライム企業たちを押しのけ、超レッドオーシャンのビッグワードで検索上位にさせることができました。

また、ビッグワードの次点に検索ボリュームの多い「車種 ✕ 買取」のキーワード(例えば「クラウン 買取」など)では、いくつかの車種で検索順位1位になることもできました。

正直、実装前はこんなに上手くいくとは思っていませんでした。

ただ、これも、3C分析とユーザーインタビューを軸に、ビッグワードで検索上位にさせる仮説立案が上手く機能した証拠かなと思います。

また、3C分析とユーザーインタビューで仮説立案をする方法は、再現性が高くSEO以外にもなんでも通用したりするので、是非やってみてほしいです。(やってみたら今度こっそりお話聞かせてください)

最後に、「マーケティングに課題がある」や「もっと良いマーケティングをしたい」などのお悩みがある方や企業など、お手伝いできる範囲で無料での事業相談を現在行っています。以下にFacebookとTwitterを貼っておきますので、少しでも興味がある方は、DMお待ちしております。

Twitter 井上 怜 / Inoue Ryo
https://twitter.com/funkfull1

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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