chocoZAPが開始1年で日本一になった要因の考察と学び
こんにちは。マーケティングやプロダクト開発のコンサルや顧問をしている井上(@funkfull1)です。
chocoZAPが開始1年でフィットネスジム日本一になりました。
伸び率えぐいです。
広告への積極投資の効果もありますが、そもそものプロダクトが優れていないと開始1年で日本一&80万人は不可能です。
そのあたりを考察していきます。
狂気の試行回数
まずは創業期から。
テストマーケで覆面ブランドを47店舗も実施しているのは驚きました。
1店舗の仮説検証を行うだけでも多くのコストがかかりますが、これを短期間で47店舗分となると、新規事業への熱意が垣間見えます。
そして、chocoZAPの完成度を見るに、自社が保有している資源(ヒト、モノ、カネ、ノウハウ、顧客データなど)を活用して、新しい業態に向けて質の高い仮説を立てていたことが考えられます。
そして広告。
1年でチラシ500種類、バナー4,000種類、LP200種類は凄すぎます。
デザインも様々で高クオリティの成果物を量産しています。
これだけの質&量のテストをすれば当たりクリエイティブが多く出るのも納得です。
成長痛
あまりのスピードで拡大していっているためか、成長痛のようなものも出ているようです。
「chocoZAP」でGoogle検索すると、サジェストで一番上に「チョコザップ ひどい」と出てきます。
ちなみに「チョコザップ ひどい」の検索ボリュームは想定40,500と多い数値です。
「チョコザップ ひどい」でSEO上位サイトを見てみると、
ひどいという内容は、「混んでいる、汚い、マシンの故障が放置されている、アプリが使いづらい」などでした。
ただこれらも得意の試行回数で改善すれば、すぐに解決できる問題かなと思います。
社長は努力の人
社長の瀬戸氏は、以前は健康コーポレーションという会社で、豆乳クッキーダイエットで一世を風靡し、上場させた方です。
豆乳クッキー→RIZAP→chocoZAPと立て続けにヒットを出してきました。
1事業でも成功するのは難しいのに、なぜこんなにもヒットを量産できるのでしょうか。
こちらの記事にヒントがありそうです。(少し古い記事ですが)
成功のために、何千回、何万回のデータベースを用意する。
一般的な人は成功を期待してチャレンジをするものですが、瀬戸氏はデータベースに期待してチャレンジしているそうです。
この考えならバナー4,000種類を作るのも納得です。(それでも常人離れしてますが)
ビジネス用語に「センミツ」という言葉がありますが(「事業が上手くいく確率は1,000個中の3つしかない」という意)それすらも凌駕してます。
47ヶ所のテスト店舗も、当然47個の仮説を作ったのではなく、それ以前に数百数千の仮説を作り、その中で筋の良い仮説を検証したことが分かります。
ホリエモンこと堀江貴文氏も試行錯誤の数だけ成功率は上がると仰っています。
成功を繰り返している方は、同じ考えをしているようです。
覚悟
逆にいえば試行回数が少なければ成功せずに終わるということです。
周りを見れば、新規事業や既存事業を成長させることなく、現状のままでいたりフェードアウトする場合が非常に多い。
この差はなにか。やはり経営者や責任者の覚悟の大きさによるものだと思います。
数百数千のテストマーケに耐えうる覚悟があるか。
無いのであれば、今はチャレンジしない方が良い、ということです。
大きな成功を掴むために
chocoZAPの瀬戸氏、堀江貴文氏の他にも、大きな成功を収めているユニクロ社長の柳井正氏や、畑違いですが将棋の藤井聡太叡王など、この4名の成功者には共通点があると感じます。
ユニクロの柳井氏は「一勝九敗」という著書を出されています。
失敗を直視する重要性を感じるとともに、あの非凡な柳井氏ですら成功率10%なら、そうでない人は「一勝九十九敗」もしくはそれ以上の失敗が必要なのだと感じます。
藤井聡太叡王は過去の対戦後のインタビューでこのような言葉を残されています。
また、藤井叡王が結果ではなく内容を重視できるようになったのは、幼い頃から結果ではなく過程を褒められてきた経験があったからだそうです。
この4名の共通点は、
目的は「成功」ではなく
目的は「成長」なのだと
切に思います。
一般的な成功や失敗のイメージは、以下のように、失敗or成功の2択なのだと勘違いしている人が多いです。
そのため、「失敗」した時には大きく落ち込みモチベーションが下がり、たった1回の失敗もしくは数回の失敗程度ですぐに諦めてしまうことが多い。
そして、たまたま「成功」した時も、そこですぐに満足してしまい、伸びしろも少ない。
大きな成功を収める人の成功や失敗の捉え方は、失敗or成功の2択ではなく、一直線として捉えているなと感じます。
「失敗」した時は、失敗したデータから改善に繋げ、改善にモチベーションを感じ、繰り返し改善を楽しみ続ける。
「成功」した時は、すぐに満足せずさらに改善を続け、少ない労力で1回目の成功の2倍3倍以上の大きな成功に繋げる。
この失敗と成功の捉え方の差が、結果に大きな違いをもたらすのだと思います。
競合はジムではない
話は変わりますが、以下でchocoZAPのアイデアについて言及されていました。
RIZAPを経営している中で、普段運動しないけど、健康診断に引っかかるなどのきっかけがあり、運動したい欲求が高まりRIZAPを検討したり申し込むも、ハードな内容に挫折してしまう、というユーザーも多いと聞きます。
街のジムに行けど、周りに本気のマッチョ達がいれば、少し軽めの運動をしたいだけのユーザーには居心地が悪い。
この状態を「WHOとWHATが合っていない」と言います。
合っていなければ、ユーザーは継続利用しません。
chocoZAPができるまでは、このWHOに合うWHATがありませんでした。
当然、ジムは競合ではありません。
では、どうすればWHOに合うWHATを用意できるか、私なりに考察してみました。
アイデアの作り方
家で筋トレする人やYouTubeを見ながらエクササイズする人、散歩が好きな人などは、運動したい欲求が満たされています。
運動嫌いで家でも外でも運動をしたくない、でも医者や家族からは運動しろと言われている。健康診断の数値も悪く、運動しなければ病気になる可能性もある。
こんな状態は、WHOに合うWHATさえあれば、お金を払ってでも解決したいペインを持っていると言えます。
そこで、新しいアイデアが必要になります。
新しいアイデアを作る際におすすめの本があります。
こちらによると「新しいアイデアは 既存の要素✕既存の要素 からしか生まれない」とのことです。
例えば、カフェや図書館で勉強する人など、人がいるところのほうが集中できる人っていますよね。
RIZAPのユーザーにも、同じ属性の方がいた可能性もあります。
そんな人に最適な、手軽な運動だけできるジム × 軽い運動をしたいユーザーが集う場所 がアイデアの一つだったかもしれません。
ただし、このようなアイデアは誰にでも作れます。
最も大事で、かつ大変なのは、このようなアイデアを数百数千作り、仮説検証をより多く行う事です。
「狂気に近い覚悟」成長する企業にはそれがあり、覚悟のない企業は早々にに諦める。
「覚悟✕試行回数」これが成功するべくして成功した要因だと思います。
今後のchocoZAPは、模倣する競合が増えると予想される中で、中長期的に事業を成長させるために、どんな施策をしてくるのか楽しみです。
最後に、「マーケティングに課題がある」や「もっと良いマーケティングをしたい」などのお悩みがある方や企業など、お手伝いできる範囲で無料での事業相談を現在行っています。以下にFacebookとTwitterを貼っておきますので、少しでも興味がある方は、DMお待ちしております。
Twitter 井上 怜 / Inoue Ryo
https://twitter.com/funkfull1
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