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p.10【ルワンダ】ジェノサイドから見るジェンダー

今日はルワンダで1994年に起こった大虐殺(ジェノサイド)のお話を書きたいと思います。

知っている方が多いと思いますが、1994年に中央アフリカのルワンダという国でフツ族が、たった100日間で約80万人ものツチ族を殺しました。殺し方もとても残虐で、ナタのような農具で斬りつけて殺したり、殴打して殺しました。(こんなにも死者が出てしまった1つの理由として国連PKOのソマリアでの失敗が挙げられますが、長くなってしまうのでまた、機会があれば国連PKOのお話も書きたいと思います。)

さて、ここで、私が話したいのはジェンダーについて。ジェノサイドとジェンダーって一見関係なさそうですよね。でも、関係しているんです。
先ほども書いたように、フツ族はツチ族を殺しました。女性は殺される前にとあることをされていることがありました。

それは、なんと性行為です。
ルワンダのとある教会にフツ族が乗り込み、修道女を殺しました。(フツ族はツチ族だけではなく、キリスト教徒なども殺しました)
その修道女の遺体はみんな、スカートが捲り上げられ、股を開いた状態で斬りつけられていました。つまり、フツ族は、性行為をした後に、女性をナタで斬りつけて殺したのです。

他にも、ツチ族の女性は、自分の旦那や子供は殺されたり連れ去られたりしますが、女性だけは性奴隷として連れて行かれました。その女性は敵の子供を妊娠するということになり、医療技術も知識も資金も充分ではない彼女たちにとっては、中絶という選択肢はほぼありません。そして、こういったジェノサイドにおいて、望まない妊娠から生まれた子供は2万人いると言われています。
そんな望まない妊娠でできた憎き敵との間の子供を愛せるでしょうか?母子共に幸せになれるのでしょうか?


しかし、そんなルワンダは、現在、男女平等先進国となっています。ジェノサイドでは、女性は性奴隷として使うために生かし、多くの男性は殺されました。そのため、ジェノサイドが終わった当時の人口の多くを女性が占めていました。こんな背景もあり、女性が政治のポストにつくことが必然的に多くなりました。そして、現在は、ルワンダの国会議員の6割を女性が占めているそうです。
日本の国会議員は男性ばかりですよね。(人口の半分は女性だというのに…)

こんなこと言っていいのかわかりませんが、この現在、男女平等が進んでいるという点が、ジェノサイドがルワンダにもたらした唯一の恩恵と言っても過言ではないのではないでしょうか。

今日はここまでです。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

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