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noteに逃げた日

自宅から徒歩2分のところに、地域の人が集う小さなカフェスペースがあります。コーヒーは200円でチーズケーキは150円。

破格のメニュー表を入り口で見つめるも、いつも営業が終了しているタイミングで前を通るため、入ったことはありませんでした。

ずっと気になっていた地域スペースに行ってみようと思い立ったのは、ナマズ(=旦那)がいない平日の午後のことです。

勉強道具を持って1時間くらい滞在しようかしら、と足を運ぶと、先客のおばさま5名がちょうどお店から出てくるところでした。

きっと賑やかであっただろうテーブルを、お店のおばあちゃんが急いで片し、ひとりのわたしを6名掛けのテーブルに案内してくれます。

安すぎるメニュー表を眺め、200円のココアと200円の中華まんを注文しました。お値段以上に、うんまっ!です。

「ゆっくりしていってくださいね」
のお言葉に甘え、のんびり勉強していると家族連れがやってきました。

となりのお店の店主をやっているパパと、その娘2人。どうやら小学生と中学生のようです。入ってきた瞬間、こんにちは〜!と顔見知りな雰囲気と、人懐っこそうな表情。

他の席が埋まっていたので、おばあちゃんに相席の確認をされ、わたしがいる6名掛けのテーブルに一緒に座ることになりました。

ここで、わたしの頭の中で会話が始まります。

子どもたちがお店の人も交えて、仲良さそうに会話をしているから、わたしも…わたしも、会話を交わそうかしら…。相席してるわけだし、変じゃないよね?

いやいや、会話って何を話すんだ。
可愛いね〜なんて、言ったら引いてしまうかもしれない、どうしよう。わたしはこの地域スペースの常連ではないのだ。

しばらく葛藤を続けていると、何かの話題で、お店がワッと盛り上がった瞬間がありました。

勉強ノートから目を上げるわたし。そして、相席している子どもたちと目があいました。

なんとわたしより先に、微笑んで会釈してくれます。可愛い。可愛すぎる。でも、わたしの実力では、その会釈を返すことしかできません。

ナマズゥ…、コミュ力の鬼であるナマズを心から欲し、すぐにLINEをしてしまいました。「君の力が欲しい」

すると、ナマズが走るスタンプと一緒に「今すぐいってあげたい!」とメッセージが届きました。気持ちは届いても現状は変わらず、ざわざわした思いは続きます。

ざわざわしすぎて、一旦noteを書くことにして今に至ります。要は、リアルタイムnoteです。そして、noteと向き合うとますます顔を上げられなくなりました。

わたし以外の人は、みんな誰かしらと会話をしています。そうだった、ここのコンセプトは「地域の方と気軽に話せる場」だ。そもそも、勉強道具を持ってきていること自体、少しずれていたのです。

しかも、noteを書くのは絶対に今ではないのに、相席に向き合う度胸がなく逃げました。心では、くそぉ〜交ざってみたいけど、交ざる勇気がない!と叫んでいます。

逃げに逃げ、家族連れがついに席を立ってしまいました。お店を出る時、わたし以外のお客さんが、またね〜と送り出していました。

これはもう、出直そう。
と、わたしも400円を支払い出ることに。横へスライドさせるドアを一生懸命押したり引いたりして、やっとお店を出た時、中のお客さんたちと目が合い、わたしに微笑んでくれました。

その笑顔が優しいのなんの。ううぅ、きっとわたしが受け止められなかっただけで、みんなの気持ちはオープンだったんだ…。

ただ、新参者のわたしがあの場に馴染むには、ハードルが高すぎました。だから、次は絶対に平日休みのナマズを連れてこようと誓います。

とりあえず、今日の午後の出来事は幻として、noteの世界に閉まっておこうと思いました。




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