愛しき右腕の三角形
長年一緒に歩いていると、どちらかが右、どちらかが左、と暗黙の了解のようにポジションが決まっていきます。
私たち夫婦の場合は、私が右、ナマズ(=旦那)が左を担当。たまに担当を間違えると、なんだか違和感を抱いてしまう。隣であることは変わりないのに、不思議です。
去年の秋ぐらいでしょうか。私の左を歩くナマズが、右手を腰にあてて、腕をガバッと横に開きました。右腕によってうまれた三角形の隙間となぜか胸を張るナマズ。
そのまま放置していると、チラッと振り返って私の方を見つめます。
(ん?これは、腕を組みたいということなのか?)
ナマズの本心が掴めぬまま、三角形の真ん中を切るように、自分の左腕をズボッとさしました。
するとどうでしょう。ナマズがにんま〜りと満足そうな表情をして、腕と腕をピタリとくっつけます。
(なんて可愛いスキンシップなんだ…!)
それからというものの、ナマズが右腕をガバッと開けると、私がその隙間に左腕をさす、が恒例となりました。普通に腕を組むよりも癖が強いですが、お出かけのスイッチがはいるようで楽しい気持ちになります。
なにより、腕を組むことに成功したナマズが、毎回ちゃんとにんまりしてくれるのがツボです。左腕のさし甲斐があります。
どうか、この先訪れる春や暑くてしょうがない夏がきても、ナマズが三角形の隙間をつくってくれますように。いつだって私は、左手の準備が万端です。
今回は、珈琲次郎さんの企画に参加しました!テーマは「スキンシップ」です。
旦那がなぜナマズなの?と気になった方はこちら!
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