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スポーツはなぜ泥臭いイメージなのか?

テクノロジーの発展により、テクノスポーツ、eスポーツなど新しい分野のスポーツが生まれている。スマホ・動画でスポーツ観戦も容易になりユーザーの行動履歴も取れるようになった。しかし、何か取っつきにくい壁を感じないだろうか?このふわっとした泥臭いイメージを変えることが今後のスポーツ発展に必要だと思う。そのためには「スポーツへのアクセスのしやすさ(スポーツアクセシビリティ)」「スポーツの日常化(エンターテイメント)」が必要だと思っている。まずは「スポーツへのアクセスのしやすさ(スポーツアクセシビリティ)」についてまとめてみた。

「スポーツの体験」したい人はWebを使って情報収集

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「スポーツクラブへの入会をWebで情報収集をする割合」というデータを見ると、なんと約80%以上がスポーツジムへ入会する前にWebで情報収集をしている。実はこれ、スポーツ特有の行動というわけでもない。普段マーケティングの仕事でインバウンドセールスの設計をしているのだが、数億・数百億を超えるBtoB商品の情報収集でもトップ3に「検索エンジン」「Webメディア」「ソーシャルメディア」が入るというデータがある。Web・インターネットにおける情報公開・コンテンツの充実はこれからの時代に必要不可欠なことなのだ。

10人に1人。スポーツ業界のネット予約の課題

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ネット予約の利用経験を集計した面白いデータがあった。毎日のようにCMで「ネット予約」という言葉を見聞きする「ホテル・美容室・飲食」業界については、約50%がネット予約の経験がある。2人に1人がスマホを使っていつでもどこでもネットで予約をしてサービスを受けているのだ。

それにも関わらず、スポーツ業界はというと、唯一ランクインしたのが「スポーツ観戦チケット」でわずか10%未満だった。確かにGoogleで「スポーツ名×レッスン(体験/教室)」などで検索をすると、個人運営するWebサイトや地元感満載のWebサイトがたくさんヒットする。お世辞にもキレイとは言えないデザインのWebサイトを必死に回遊し「体験コース」を発見する。しかし「詳しくはお問い合わせください」と応募フォームやメールアドレス・電話番号が記載されているのだ。

大半の人はこう思うハズだ。『あやしい・・・実態はあるの?勧誘されたりしないか?』そう、インターネットでは消費者と事業者との間に「信頼関係の構築」がとても重要になってくる。料金が明朗で、人の顔が見えて、提供されるサービスのイメージができ、アクセス方法もわかりやすい。「ホテル・美容室・飲食」業界は消費者と事業者の間にあるこうした”不信の壁”を突破している。予約システムの充実にはまず、こうした信頼関係を構築することがスポーツ業界に求められていると思う。

スポーツニーズの多様化に対応した新興型ジムの躍進

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「結果にコミット」でおなじみのライザップを筆頭にいま「新興型ジム」と言われる新しいスポーツジムの形が急成長を遂げている。一方で、スポーツインストラクターが待機していて、マシーン・プール・サウナ温浴施設などが充実した、いわゆるみんなが想像する旧来の総合型スポーツジムは減少傾向にある。

大音量の音楽を流して、暗闇でエンタメ系コンテンツで汗を流す、パーソナルトレーニング、ヨガ、24H営業、豊富な筋トレマシーンに特化など、細かい消費者のニーズに特化した新興型ジムが人気を高めている。そして、総合型ジムに比べ設備投資や人件費もかからないため、参入/出店障壁が低く、あなたの住む街でも、低価格で提供が可能になり、まさにwin×winの関係が構築できているのだ。

新興型ジム躍進の理由は「ネット予約」にある?!

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新興型ジムが支持されるもうひとつの理由にネット予約がある。フィットネスユーザーを対象に利用満足度を調査をしたデータがある。「施設の充実度」・「複数の店舗/スタジオを利用できる利便性」・「店舗の場所/立地」などを抑えて、旧来の総合型ジムと圧倒的に満足度に差が出たのが予約の取りやすさだった。ユーザーのニーズが多様化したスポーツ業界にネット予約は必須条件なのではないだろうか。

同時に総合型ジムのネット予約は遅れていると見ることもできる。全国の市区町村にあるスポーツ施設の予約もネットになっているがお世辞にも使いやすいとは言い難い。例えば東京都のスポーツ施設を予約しようとすると申請書の作成に1日。そして申請書類は直接、管理事務局へ訪問し提出するのに1日が必要になる。2日かけてようやく予約をしても、アクセス良好の芝公園テニスコートの倍率は休日にもなると10倍を超えるという難易度だ。

スポーツ業界発展の一歩目は「ネット予約」

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野球の360度カメラ、サッカーのビデオ分析、VRを使ったテクノスポーツなど、デジタルテクノロジーを活用したスポーツの楽しみ方は日々進化している。

15兆円という巨大な市場規模にしていくためにスタジアム/アリーナ、アマチュアスポーツ、スポーツツーリズムなどの発展・IT化は大切だが、すべてに通ずる根底にあるのは「スポーツを観戦する、体験することのストレスを取り除くこと」ではないだろうか。

ホテルのトリバゴ、レストランの食べログ、美容院のホットペッパービューティ・・・、ネット予約が進むこれらの業界のサービスには共通して消費者と事業者の間に生まれるストレスが取り除かれている。Googleマップと連動したアクセス情報のわかりやさ、料金の明朗化、比較、口コミ、写真を使ったイメージ化など、消費者が安心してサービスを受けられるような仕組みが出来上がっている。だからこそ消費者はネット予約をするのだ。

【次回】スポーツの日常化にはエンターテイメントが必要

もうひとつの課題は「エンターテイメント」だと思っている。「スポーツに興味はあるけど観戦や体験するほどではない」というお金を払う価値まではないと思っている人に「お金を払う価値がある」と思ってもらえるような取り組みが必要だ。スポーツクラブを運営する企業、競技をするアスリートはもちろん、スタートアップ企業など新しい外部からの刺激も必要だ。

スポーツを日常化するためのエンターテイメントについては次回またnoteを書きたいと思っている。「いいね」がたくさん付いたらきっとモチベーション高く書けるのかな。スポーツにもnoteにも「応援」が必要だ(笑)

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