鹿児島の野ぼとけ3
名もない、なんてこともない地蔵菩薩立像である。
誰の供養のためとか、いつ造立されたかなども一切不明。
そして風化も激しい。
ただ、このデザインの地蔵菩薩はここにしかない。
そして廃仏毀釈の際、光背だけを壊して、地蔵部分には手をかけなかった、当時の人の心がそこに見てとれる。
背後にあった大きなお寺は消えてしまったが、そこを守る仁王と共に、この地蔵は残された。
残る石仏には、やはり何かがあるのだろう。
おそらく誰も気にもしていない石仏だが、私はこれを名品だと思っている。
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