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2002年からの武術エッセイ

刀って重いじゃないですか。
だからそんな重いもの抜いて戦おうなんて思ったら、無理じゃないですか。テレビのチャンバラみたいに自由自在に丁丁発止なんて無理でしょ。
逆に自分の身体が刀に振り回されちゃいますよね。
それなら、もっと軽いほうがいいでしょ。
でも、軽いと威力ないと思うんですよ。

重いほうが物理的にいっても威力あるでしょ。
でも、やっぱ重いから自分が振り回されちゃう。
でも、その振り回され方を工夫したのが剣術だと思うんです。
どうやって刀にふりまわされたら、うまく相手のところまでいって振り下ろすことができるか。

刀を抜いて振りかぶった瞬間、重いでしょ。
だから、なんとか刀がへんなところに落ちないように上手く相手のところまで運ばなきゃなんない。
でも、そんな簡単にはいかない。
だって相手だって刀で斬り付けてくるわけですから。

そんとき、自分のからだをどうやって刀のまわりに巡らせるか?
これが「術」ですよね。
よく、武士が刀を抜いた以上、相手を斬らなければならないなんてことを聞きますが、本当は刀が重いんで、お互い抜いた以上、斬らないと刀の持って行き場がないってことなんだとおもいます。

えっ?鞘におさめればいいって?
そりゃ無理ですよ。
相手も納めてくれればいいですけど、斬りかかってきたらどうするんですか?
やっぱ、刀の重さに身体ごと連れられていって相手のところに落とすしかないんです。

拳法の場合は、刀は肘に相当すると思うんです。
戦いの間は、やはり肘が重いという意識が必要です。
肘の重みが術を作るんです。
そして、肘のまわりを身体が巡るんです。

肘が重いと思うことは、刀を抜いたと同じことだと思います。
刀と違うところは、肘の意識を消したり現したりすることによって
相手を打たずに済むところです。
でも、肘が一旦、前方の空間に向けてすべりだしたら、自分でよほど無理な力を使ってブレーキをかけないと自分の技を止めることはできないでしょう。

だから、拳法を学ぶ者はやたらと肘が重いなんて思っちゃだめなんです。もしかしたら、知らないうちに相手を倒しているかもしれないですから・・・・。

がはははっ!
変な話なっちゃってごめんなさいね。
そんじゃ!

2004年3月記す。

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