こども と GARDEN
わたしにとってニュージーランドで過ごす人々の印象は、とても穏やかでのんびりとしていながら、でもどこか野生的なワイルドさを持っているようなとても興味深い国民性です。
どんなふうに子どもの頃から育ってきたんだろうか、どんなふうにこの国の大自然を受けとめてきたのだろうかととっても気になるところなんです。
Community Garden.
コミュニティガーデンというのは、日本におきかえると市民農園のような存在でしょうか。メインのスタッフチームの方がいて各地域にそれぞれの規模、スタイルで運営されています。オーガニックガーデンも多く、そこで取れた野菜が休日に行われるマーケットに出ることも多いです。
わたしはこのコミュニティガーデンの魅力にどっぷりはまりました。
主に野菜をはじめハーブ、草花、鶏やコンポストがあり多くのガーデンがサスティナブルな循環型のスタイルを取っています。
ボランティアも多く集まりや定期的にWorkshopが開かれ、どんなときでも暖かく迎えてくれる柔らかな雰囲気です。
野菜の育てかたやコンポストの作り方などガーデンに関わる知識のシェアも大切にされていて、幅広い人たちがここには集まります。いいなぁと思うのは、みんなの目的がそれぞれなところです。
農業園芸を学ぶ学生はもちろん、美味しい野菜が作りたから、面白い人が集まっているから、おしゃべりがしたいから、なかにはジムのような場所だわ!という方もいます。
まだ英語にたじたじなわたしは毎回ドキドキの心境で参加するのですが、ここに集まる人たちはすごく身軽で気軽で、
なんともフランクです。
このニュージーランドにおけるボランティア、Workshop の概念は私にとってとても刺激的で感じることが多くあり、大枠についてはまた改めて文章にしたいなと思います。
今回のテーマはこどもとガーデン。
夏を迎え穏やかな日和のなか、私にとって思い出深いデボンポートという街のはずれにある小さなコミュニティガーデンの Workshop に参加しました。
私が参加したWorkshopは、
こどもたちに向けてあたたかなこの季節たくさんの野菜やハーブが繁茂する時期を迎えたガーデンで一緒に学びましょう、というものです。
小さなお子さんを連れたご家族が集まり、なかにはふらっと散歩の途中で参加されるかたも多いです。
そこでは、
こども自身がハサミを持ち
花を摘み、香りを楽しみ、
ざらざら、つやつや
その草花が持つ質感を手から感じ
種をひろげてみたり、
ハーブはどんなふうに身体との繋がりがあるのか
やさしい言葉で説明をしたり
お母さんお父さんたちとともに大人も学びが驚きと発見です。
ここで流れる時間はなんとも
ゆっくり、そして1歩ずつです。
触れて
感じて
理解する。
そしてこの日は摘み取った花やハーブを使って、手作りハーブティと塗り絵をしました。
手を動かすとなるとわたしたち大人もついつい、こどもたち以上に久しぶりに味わうこの探究の世界観に惹かれ手が多く出てしまうのだなぁと感じました。笑
お母さん、、、笑。
子どもの楽しみでもあり、わたしの楽しみでもあるのよ!
って親子で植物の世界に心から探究する姿ほんとうに素敵でした。
ここにいるみんなが教えたい、
学びたいという気持ちでなくて、
ただただ「楽しむ」。
みんな同じ目線で「一緒に楽しむ」。
目の前で植物が飲みものに変わるこどもたちの不思議そうな眼差しを見ていると、この瞬間にどんなことを感じているのだろうと思うのです。
でもきっとこんな瞬間が子どもの発達や成長において大切な時間なんだろうと思います。
小さなからだで手を汚しながら、
香りや手触りや音、肌から感じる全ての情報を受けとめ考えている姿に、とてもわたしは刺激を受けました。
自分のまわりで
草花や虫や動物が共に生き、
植物が生まれ朽ちるはかなさを知り、
記憶に残らずとも何か繊細な感覚や知識が体に残るものだと感じました。
安全性が重視される日本の幼児教育、ときには庭への価値観においても向き合うべき課題なのかもしれません。
きっとこういったWorkshopは子どもだけでなく、私たちがもう一度絵本で読むような植物のまわりで起こるミクロな世界を改めて実感する機会にもなると思うのです。
このミクロの世界がどこか大きくわたしたちの豊かさにも繋がるような、、、、
こどもとGARDEN 。
いまわたしが1番注目をしたいテーマです。
森のおかあさんのような存在、
とても憧れます。
わたしたちの国でも
こんなあたたかな風景がたくさん生まれますように。