駄作をとにかく書こう
駄作って嫌ですよね。誰も好んでそんなものを作りたくはないです。
ただ駄作を作り続けたことで成功した画家がいます。
それはピカソです。
ご存知あのピカソです。ピカソって超がつくほどの有名作家ですし、数々の名作を産んでいる天才です。
そしてピカソが他の芸術家と一線を画しているのが、その作品数です。
油絵、版画、挿絵、彫刻や陶器などを合わせて、その数は5万点です。
5万ですよ。5万。
一説によると10万ともいわれています。とても一人の人間が制作できる数とは思えません。一日あたり2点から4点のペースですよ。ピカソやばすぎです。
もちろん5万すべてが傑作なわけありません。作品の多くは世界中の地下室で埃をかぶっています。ほんとひどい作品だからです。
ただそれだけの駄作を作り続けたからこそ、ゲルニカなどの名作も作ることができたわけです。
みんな有名な作品とかヒットしたものしか目がいかなくて、駄作とか売れなかったものは記憶にないんですよ。
だから駄作を作る勇気が必要なんですね。
ヒットを産む秘訣は多作にありと言われます。
何がヒットするか誰にもわからないんです。
一方の作品がヒットして、もう一方がヒットしない。そんな例が世界にゴロゴロあります。その理由は誰もわかりません。
天才・ピカソですら、自分の作品のどれが称賛されて、どれが地下室行きになるのかわからなかった。
だからとにかくサイコロを振ったわけです。ピンゾロを出すには、サイコロを何度も振る以外にないんですよ。
慎重に慎重にサイコロを振っても、一発目でピンゾロになる確率は低いです。
成功に黄金の法則があるとすれば、それは数しかない。そうピカソはわかっていたわけですね。
けれど作り手からすると、一つ疑問があるんです。
それでも多作すぎるだろ、と。
理屈では量を作った方がヒットの確率が増えるというのはわかりますよ。ただ作り手としてはやっぱり駄作は嫌じゃないですか。
時間をかけて丁寧に作りたくなるので必然的に手は遅くなる。
しかしピカソはそうならなかった。駄作とか気にせずとにかく量産する。これってかなり難しいことなんです。
その理由を書いている本を見つけました。
ピカソはこんな発言をしています。
『何を描きたいかは描き始めてみないとわからない』
いやこれは名言ですよ。アイデアって考えている時ではなく、書いている時に浮かぶ。
だから小説でも「どんなのを書こう」とうんうん悩んでいるならば、まず一行目を書いてみる。
一行目をいきなり書くことで、話が勝手に進み出すんです。
もちろん駄作の可能性は高くなりますが、駄作を恐れるよりも、まず一行書く方が大事なわけです。
駄作を怖がるぐらいにならまず一歩を踏み出す。
改めて大事なことだと思いました。
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