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よくある質問

こんにちは!
ポーランドの医学生🇵🇱りんたろ です!

ツイッターのメッセージやnoteのコメントに、ポーランドの医学部についてよく質問を頂くので、今回はポーランドの医学部(というより、僕の行っているワルシャワ医科大学)についてよく頂く質問についてまとめてみました。

質問の分析をすると、主に大学生活の2つに分かれているので、この記事でも2つに分けてあげていこうと思います。


ポーランドでの生活について

いくらあれば生活出来る?

日本円で10万円前後あれば生活が出来ると思います。
現在ウクライナとロシアがやっている戦争の影響+まだまだ発展途上国なので日々インフレが進んでいるので今後は何とも言えませんが、僕は2019年からポーランドに住んでいますが、物価と家賃は1.5〜2倍ほど上昇しています。友達とのシェアハウスなどをしている人は家賃はかなり安く抑えられてると思います。

大まかな内訳は以下です。
・家賃:6~8万円 (光熱費、諸経費込みでこれぐらいの値段)
・生活費:3~4万円

外食は1回1000円〜1500円程と日本と同じぐらいですが、日本の定食屋さんのように「安い、早い、美味い」みたいな場所は少ないです。美味しいものを食べようとするとそれなりの値段がかかってきます。また、水などの飲み物にもお金がかかるので、僕はよくテイクアウトをして家で食べるようにしています。チップは基本的に必要ないのでそこは良いところですね!

日本食って食べれる?

ワルシャワはカツ丼やサバの塩焼きなどの家庭料理が食べれる所や、うどん、ラーメンが食べれるレストラン、またクオリティはイマイチですがお寿司屋さんなど、日本食が手頃な値段で食べられます。
ショッピングモールには日本やその他の国の食材が売っているお店もあるので、お米や醤油、冷凍納豆、調味料なども一式手に入れる事が出来るので、長年ポーランドに住んでいて食に困る事は特にないです!

ウクライナと近いけど大丈夫?

2023年11月現在、ウクライナとロシアはまだ戦争が行われている最中ですが、特に戦争が始まった前後で生活に大きな変化はなく、強いて言えばインフレぐらいです。
ポーランドはEU、NATO加盟国であるのでそこまで大きな心配は無いと言っていいと思います。

ポーランドでの交通は?

◎日本⇔ポーランドはどうやって行くのがいい?
日本からポーランドへは、成田⇔ワルシャワ間LOTポーランド航空が運行しているので、僕はよくポーランド航空を使って長期休暇は行き来しています。乗り継ぎなどの時間がかからない直行便はかなり便利です!
コロナ前は毎日1便運行していたのですが、コロナが始まってからは1週間に1〜2便程度の運行間隔です。ウクライナ戦争前は10時間、戦争が始まってからはロシア領域(上空)を飛べないので15時間程かかります。

また、ワルシャワのフレデリック・ショパン空港から市街地まではバスで約30分程で着きます。

◎ワルシャワの公共交通機関
ワルシャワ市内の移動は主に、バス、トラム、メトロ(地下鉄)です。バスやトラムの停留所は至る所にあり、バスは24時間走っています。メトロは市内で2路線(M1、M2)あります。切符の買い方や運賃などは、僕の友達が書いたブログに詳しく書いてあるので、ぜひチェックしてみてください。↓

タクシーはメーター付きのタクシーを使う人はほぼいなく、UberやBoltなどの配車アプリを使います。事前に料金が確認出来るのでボッタクリなどの心配もありません。ワルシャワ市内であればどこに行くのにも1000円程度で移動出来るのでかなり便利です!

差別ってされたことある?

ワルシャワは留学生も多く、僕自身は差別を受けたことはありません。カフェやレストランでは基本的に40代ぐらいまでの人であれば誰でも英語を流暢に喋ることができて、あまりポーランド語ができなくても困りません。スーパーなどで、ポーランド語が喋れなかったりすると少し嫌な顔をされるぐらいです。

ワルシャワ医科大学について

受験の難易度は?

ワルシャワ医科大学への入学方法は主に2つあり、1つ目はBMATやMCATなどのスコア提出。そして2つ目は大学が実施している試験(Competency Test)です。ほとんどの学生は大学の試験を利用して入学しています。合格点などは公表されないものの、6割程度取れていれば合格とされるケースが多いようですが、6割未満でも合格になる場合もあるみたいです。ただ、1年生で全ての単位が取れないと退学になってしまう為、そこでふるいにかけられます。

よく最近言われるのが「大学の入試+1年生が終わるまで」をセットとして入試と思えと言われています。

大学にはどんな国の人がいるの?

東欧の医学部は現地の国の言葉で勉強するコースと英語のプログラムの2つがあり、留学生は全員英語のプログラムに入ります。
僕の同級生はドバイ、イスラエル、イラン、エジプト、など中東の学生が多く、それに続きポーランド周辺のノルウェースウェーデンから来ている友達、そして韓国中国、マレーシアなどのアジアからの学生が数人います。日本人は学年で僕1人だけで、全学年合わせても5人ぐらいです。

中東の人はその人達で固まっている事も多々ありますが、授業を受ける時やプライベートで遊ぶ時など、特に人種は関係なく多様性を感じる事が出来るので僕は海外の医学部に来てとても良い経験になっています!!!

授業ってどんな感じ?

授業は基本的には学年全員で教授の話を聞くだけがメインの「レクチャー」と少人数で受ける「セミナー、クラス」というのに分かれています。セミナーやクラスでは少人数なのでディスカッション形式の授業になります。教授が質問した事に対して学生が発言したり、逆に学生からのこれってこういう事?みたいな質問のやり取りも多く行われるので授業ではリスニング、リーディング、ライティングだけではなく、スピーキングの能力も非常に大切です!

大学で授業についていくにはどれぐらいの英語力が必要?

大学の入学条件として、TOEIC L&R: 700点以上(他の英語能力証明書は大学のウェブサイトを参照下さい)が必要ですが、あくまでも英語の能力証明にしかならず、実際はかなりの英語力が必要とされます。僕は中学から高校まで6年間インターナショナルスクールに通っていたので、英語で授業を受けることや自分の言いたい事を英語で伝える事はネイティブ並みの力があると自負しています。それでも授業やテストで出てくる単語の意味が分からなかったり、度々苦戦する事もあります。

英語力に不安がある方は、まずは予備コースに入られる事を強くオススメします。ワルシャワ医科大学の予備コースは合計で2年間あり、1年目は英語だけを勉強するコース、2年目は受験に向けた理科系科目のコースで、TOEIC700点が取れている人のみ2年目からのコースから受けることができます。

英語力に関して、僕は日本の教育プログラムを受けていた訳ではないので感覚でしかお伝え出来ないのですが、同級生になる友達のほとんどはネイティブ同様の英語力を持った人なので、その中でも怯まずにやっていけるだけのメンタルがある人ならば、上手く英語力を伸ばしながら学生生活を楽しめると感じています。

留年率、退学率は?

僕の通っているワルシャワ医科大学では6年間ある医学部で"1年生だけは全ての単位を取らないと退学"になってしまいます。2年生以降は1教科落としても再履修は必要ですが進級ができます。つまり、1年生さえ終えることができればほぼストレートで進級する事ができます。1年生の退学率は以前書いた記事に載っていますので、そちらを御覧ください。↓

どの科目も基本的に1、2回の再試とそれでもダメだった場合は口頭試験があり、その結果2年生以降は9割以上の学生が進級が出来ると感じています(具体的な統計データはないです)。僕は口頭試験までいったことがないのですが、口頭試験もうちの大学の教授は落とそうとするより、受からせようとする雰囲気らしいです。

僕の大学はチェコやハンガリーの医学部に行ってたけど退学になってしまった学生もいて、その学生も僕が通っている大学では進級している人が多いので東欧の医学部の中でもポーランドの医学部はかなり学生に易しい大学なのではないでしょうか。チェコの医学部に行っていた学生の話を聞いてみた所、ほぼ全ての科目の試験が口頭試験になる為、1つ1つの科目の勉強量が計り知れないほどある事と、口頭試験自体、教授の主観によるのであまり公平性がない試験方法だと言っていました。

この質問は、ポーランドの医学部に入学を検討されている方から1番多かったです。
正直、その年によって1年生の退学率や2年生以降の留年率などが全く違うのでその分平均で取ることが難しい為、退学や進級の事を気にする方には東欧を含めた海外の医学部自体、向いていないと考えています。

日本での医師免許は取れる?

一言でいうと、「取れなくはない」というのが今現在での正確の答えです。日本で医師国家試験を受けるためには、まずはポーランドの医師免許を持つ必要があります。ポーランドで医師免許を取得するには、6ヶ月の現地実習(Staż)に加え、LEKというポーランドでの医師国家試験に合格する必要があります。なので、2023年現在、ポーランドの医学部卒業後にすぐに日本の医師国家試験を受けることは原則出来ませんが、もしかすると医学部の卒業証書だけで日本の国家試験の受験資格が与えられる可能性もあり、更に数年後には6ヶ月の実習の制度が廃止されLEKの国家試験のみでポーランドの国家資格を取ることが出来るという情報もあります。

というのも、日本人でポーランドの医学部に行っている人も少なく、ポーランドの医学部卒業後に日本で医師をやるというルートが確立されていません。また、僕もまだ3年生の為進級する事だけに必死であまり調べていませんが、僕の大学の卒業生の多くはイギリス、アメリカ、ドイツマルタ共和国と言った国で医師をしている人も多いみたいです。

日本だけに縛られずに、卒業後に色んな国で働ける選択肢があるのも英語で医学を学んでいるメリットだと感じています。

まとめ

ポーランドだけに限らず、海外の医学部は入る事はそこまで難しくないかもしれませんが、大学で生き残っていくのは大変です
海外医学部は、自分との戦いだと思っています。英語に自信がない人からしたら、全ての授業を英語で行う事も大変だと思いますし、日本と違って海外だと大学や日常生活で理不尽な事も多々起きます。どんなにテスト勉強をしても報われないときもあります。それでも、どんな困難があっても自分の夢を叶えるためにやってやる!と思える人、そして何よりも大事なのは自分の苦手な事から逃げないことが出来る人は退学、留年や休学をしなくても卒業できるのではないでしょうか?!

実際に、医学部に入ってからの日々は、とても大変ですがその分楽しい事も沢山ありました!テストが近くなければ同級生の友達と飲みに行ったり、日本人の友達と遊んだり、勉強は辛いですが遊びと上手く両立しながらやっています。卒業までも全力で遊んで勉強したいと思っています!


それでは、また次の記事でお会いしましょう!


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