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【魔法少女】【感想】アニメ『美少女戦士セーラームーンSuperS』〜子どもから大人への成長を幻想的に描く〜

こんにちは、唐梨です。
今日は『美少女戦士セーラームーンSuperS』について書こうと思います。
それでは早速いってみましょう。

※ネタバレがあるのでご注意ください!
※漫画版ではなくアニメ版のみの感想なので悪しからず!




『美少女戦士セーラームーンSuperS』とは

1995年3月〜1996年3月にかけて放送された、シリーズ第4作目です。新たな敵、ネヘレニア率いるデッドムーンとの戦いを描いています。



私とセーラームーンシリーズ

私は世代的にはおジャ魔女どれみ世代で。ちょうどセーラームーン以上、プリキュア以下の世代でした。そのため、リアルタイムでセーラームーンが放送されていた時は物心つく前だったのですが、無印だけは再放送やビデオを通してたまに見ていたのです。

しかし!!!

無印ってセーラームーンシリーズで一番怖めじゃないですか?笑

そう、白状すると幼い当時の私は妖魔が怖かったのです。それで「なんだか暗くて重くて不気味で怖いなぁ」と感じてしまい、無印の途中で離れてしまいました。今思えばあんなにキラキラした、乙女の永遠の憧れな世界観なのに!!!

そんな私が再びセーラームーンにふれあったのは、2020年に東映アニメーション様が無料公開してくださった『美少女戦士セーラームーン』『美少女戦士セーラームーンR』『美少女戦士セーラームーンS』でした。もう超太っ腹ですよね!!!ちょうどコロナ禍と劇場版『美少女戦士セーラームーンEternal』の公開延期が重なっていたのもあるのかも、とは思いますが、本当にありがたかった。

そして大人になって見返したセーラームーンは、とってもキラキラしていました。というかセーラームーンは1990年代の当時からずっとキラキラしていて、変わらずに待っていてくれて、私がようやくそれに気づけるようになったという方が正しい。

そんなシリーズ4作目が無料公開される!これを見ない手はない!とわくわくいそいそしながら見たのが、今回の『美少女戦士セーラームーンSuperS』なのでした。



『美少女戦士セーラームーンSuperS』の感想

前置きが長くなりましたが、結論、めっっっちゃ良かった!!!
以下、どこがどう良かったのかについて述べていきます。


子どもと大人と夢と

『美少女戦士セーラームーンSuperS』のストーリーは、実質ちびうさちゃんが主役です。小学生(本当は30世紀から20世紀に来ているんだけども)のちびうさちゃんが、エリオスと出会うことで、各エピソードを通じて成長していく物語。

そのため、作品全体のテーマとして「子どもから大人への成長過程と、それに伴う葛藤」を強く感じました。もっと言うならば「子ども時代の夢は、大人になっても保ち続けられるのか?」という問題提起ですね。

作中に登場する登場人物やエピソードからも、それは伝わります。アマゾントリオは夢がないことが特徴でしたし、アマゾネスカルテットは大人になることを恐れていました。また、パラパラの術である逆玉で、子どもに戻りたいうさぎ早く大人になりたいちびうさが入れ替わるエピソードも象徴的です。大人になることの良い部分と悪い部分が両方描かれているんですね。

実際に、今まで父親であるまもちゃんに疑似恋愛のような感情を抱いていたちびうさちゃんが(リアルでも小さい女の子は「大きくなったらパパと結婚する!」なんて言いますよね)、エリオスに出会うことで恋をしていく様は、少女から大人の女性へと成長していく過程です。まさにスモールレディからレディになろうとしている。

その多感で脆くて繊細な時期を、これまた繊細な演出やストーリーで描いてくれたのが『美少女戦士セーラームーンSuperS』なのです。

おもしろいのが、公式設定によるとちびうさちゃんの将来の夢は「ママみたいな素敵なレディ」なんですよね。ちびうさちゃんは望んで大人になりたがっている。でも当の母親であるうさぎちゃんは(といってもそれは30世紀の話なので20世紀の今は中学生だけど)は子どもは楽でいいと思う時がある。

手に入れる前は欲しくてたまらなくて、いざ手に入るとそうでもない。意図してかは分かりませんが、そんな人間の心の動きも指摘されているような気がして、我が身を反省しないとなぁと思いました。


エリちびの尊さ

エリオス×ちびうさのカップリングがね、もうね、おとぎ話のように素敵すぎてね。なんてピュアで清らかなんだろうって心が洗われるんですよ。ため息モノです。

白馬の王子様の白馬って、馬は馬でもペガサスのことだったのかって思ってしまう。笑

それくらい絵になる2人です。色味も、エリオスが白でちびうさがピンクなものだから、淡い色彩でよりピュアさが際立ちます。カラーリングからして夢がある。

ちびうさの両親であるまもる×うさぎのカップリングも王道ど真ん中で素敵ですが、私は個人的にこちらのエリちびの方が好みです♡まもうさは誰にも切ることはできない絆と愛で、エリちびは芽生え始めた恋と愛って感じでしょうか。


幻想的

前述のエリちびへの感想と重なりますが、作品全体を通して幻想的な演出が多くて、それがとても素敵なんです。

そもそもペガサス自体が想像上の生き物ですし、作品内ではちびうさの美しい夢の中に住んでいる設定ですし。夢なのか現実なのか分からない、おとぎ話の中にいるような、そんな演出。

大人になれば、歳を重ねる程に子ども時代の想い出が夢の中のように遥か昔のことに思えて、子ども時代そのものがファンタジーみたいなものになるので、そういう意味でも二重にエモくなりました。


魅力的な敵たち

『美少女戦士セーラームーンSuperS』は敵も素敵なんですよ〜!

セーラームーンの敵は、他シリーズもキャラデザが秀逸で美しく魅力的な敵が多いのですが、中でも『美少女戦士セーラームーンSuperS』の敵はより人間臭くて憎めない度が高いように思います。夢がないはずなのに夢を持ちたいと願ったり、同じ敵サイドなのに上司をからかっていたずらしたり。

個人的にはキャラデザだとフィッシュアイとセレセレがぶっちぎりで好き。特にフィッシュアイはお洋服がエピソードごとに変わることが多くて目の保養でした。内面だとジュンジュンかな〜。1番人間として(いや人間じゃないんだけど)成熟してる気がする。


EDの歌が歴代シリーズで一番名曲

これは声を大にして言いたい。 

EDは前半の『私たちになりたくて』と後半の『“らしく”いきましょ』の2曲あるのですが、2曲とも名曲です。

どう名曲なのかについては、過去に書いたこちらの記事をご参照ください。



最後に

大人になると嫌なことはたくさんある。でも子どもにだって嫌なことはある。

でも大人は子どもに戻りたいなんて言う。大人ってよくわかんない。

でも大人って素敵だよ。さっきの嫌なことや子どもに戻りたい気持ちもひっくるめて、それでもやっぱり大人って良いものだよ。だって夢を叶えられるんだよ。未来があるんだよ。それはとっても楽しいことなんだよ。

だからこそ、子どもである今めいっぱい夢を見て、思いっきり遊んで、たくさん学んでね。美しい夢を育ててね。それは大人になった時もきっと役に立つ、心の拠り所になるから。



そんなメッセージをくれたように私は思いました。大人と胸を張って言えるような立派な大人ではないものの、もう大人になってしまっていることは変えられない。であれば、少しでも子ども時代の夢を思い出して、そこに大人だからこその現実世界を動かす行動力を追加して、日々を生きていく。そうありたいものです。

第1話のみずっと無料公開してくださっているので、未視聴の方も、視聴済みの方も、ぜひご覧になってください。


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