見出し画像

人間になりたい

少しオカルトじみた苦悩の話。

僕は常日頃から「人間になりたい」と思っている。
それは、「女でも男でもなく、ただ一人の人間として」周りと関わりたいと思っているから。

でも、たまに「人間でいたくない」と思う時がある。

周りと関わらず、ただ一人部屋に籠り、己を見つめ磨く。
肩甲骨から羽根を生やし、赤い眼をかっ開く。
小さな口から八重歯が覗く。
胸も性器もない体の至る所に自在に模様を浮かび上がらせることができる。
そんな人外の存在になって自分の気の向くまま生活したい。

こう思うと、自分の体が嫌いで仕方なくなる。
ブラジャーもなべシャツも胸が垂れる感覚も嫌。
背中の痒みがおさまらない。
髪色を変えるなりしないと何日経とうと気が済まない。 

何度も問いたくなる。
なんで生まれた体の通り女として生きれないんだ。
女だって人間じゃないか。
人間でありたいなら女として生活してもよかったんじゃないのか。
なんで人間でありたいのに、女性と言われるのが嫌なんだ。
なんで人間でありたいとすら思えない日があるんだ。
なんで人間の体で生きないといけないんだ。

なんで普通の思考になれないんだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?