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トランスジェンダーであることは

何週間か前、なんとなくテレビをつけっぱなしにしていた時の話。

テレビのクイズ番組でトランス女性タレントのdeadname(デッドネーム:トランスジェンダー当事者が現在使用していない、改名前の名前のこと)を答える質問が出た。

僕にとって、意図的に人のデッドネームを使うことは精神に悪影響を及ぼすことは周知の事実だ。

なのにそれをクイズの問題としてテレビで放送しているのを見て、人のデッドネームを知っていることを褒め称えるように聞こえた。
泣きそうになった。

その後、別の番組で海外の一般トランス女性の話が再現VTRで取り上げられた。
スタジオにはトランス女性のタレント(先ほどとはまた別の人物)がいたが、それ以外の人たちの反応と再現VTRそのものが悲惨だった。

参考にした記事のタイトルを一部しか翻訳せず、話の内容も浅いところしかすくい取っていない。
その上彼女の「自分は男性ではない」「自分は女性である」という意識が、あたかも最近湧いてきたものであるかのような表現。

参考の記事を調べ少し目を通せば、彼女が幼い頃から自らのジェンダーに悩んでいたことがはっきり書いてある。

僕はこれをテレビで見ていて落胆し、少々怒りを感じた。
スタジオでこのVTRを見ていたタレントの彼女はどうだったのだろう。

多様性は謳われているだけで、理解促進など行われていない。
そう痛感した出来事だった。

#世界人権デーによせて

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