プライドを傷つけられた時に読むエッセイ(前編)
若き頃は人からバカにされたりすると、無性に腹が立って、手は出さないにしても、必ず一言も二言も言い返していた。
まるで刃物で相手の心を傷つけるように。
それがどうしたことか、歳を取るとともに腹が立たなくなってきた。
バカにされること自体が、ほとんどなくなってきたこともあるのだが・・・。
ぼくのプライドってやつが薄れてしまったんだろうか。
"プライドを守るために戦う"、なんて言葉を耳にすることがある。
戦ってまで守る必要があるものなのだろうか。
いや、そもそも戦う必要なんてあるのだろうか。
例えば、会社の同僚よりお前は仕事ができないと上司から言われたとする。
確かに気分は良くない、自分だって頑張ってきたのに、それも同僚と能力を比較された挙句に劣っていると言わられば、悔しくて仕方がない。
確かにぼくが若ければ、躍起になって反論していたかもしれない。
しかし、仕事ができないと思われていることも事実だ。
それに腹を立てる方が滑稽だ。
腹を立て反論して上司の評価が変わるはずもない。
上司もちゃんと部下の言動を見ている。
余程の忖度がない限り、評価に大きな狂いはない。
それを真摯に受け止めてより一層頑張ればいいと思うのは、プライドがないということなのだろうか。
<後編へ続く>
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