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【連続note小説】日向食堂 小日向真司11歳

稲本らのいじめは日を追うごとにエスカレートしていった。
真司に対しては陰湿ないじめを繰り返した。
無視をする、私物を隠す、机に落書きをする・・・。

吉田には相変わらず直接的な攻撃を仕掛け、真司が事あるごとに吉田をかばった。
吉田はその度に真司に詫びた。
真司は謝る必要はないと吉田に力強く言った。

そんな真司を見ていた他の生徒たちは、心を痛めるようになった。
そして一人、また一人と真司の側につく生徒が現れ出した。

真司は毅然としていた。
味方ができたからと言って稲本に逆襲するようなこともせず、味方をしてくれる友達をただただ大切にした。
仲間の環は次第に広がっていき、稲本らが少数派になっていった。
真司の正義感と優しさが人の心を動かしていったのだった。

稲本らにしては面白くない。
そこで彼が企んだのは、真司が片親で貧乏暮らしだと言いふらすことだった。

裕福な家庭の生徒は、真司を敬遠するようになった。しかし修復するにはそう時間を要しなかった。
なぜなら真司がそんなことを意に介さなかったので、敬遠していた生徒がばかばかしくなったからだった。


真司が生まれてから人生を全うするまでを連載小説として描いていきます。

<続く…>

<前回のお話はこちら>

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