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【連続note小説】日向食堂 小日向真司10歳

真司は学校でいじめられている子を見た。
友達の名は吉田浩二、真司とは違うクラスだったが顔くらいは知っていた。
背が低く、ひょろっとした身体だったから、身体的なことでからかわれていた。
真司はその横を通り過ぎようとしたが、吉田が後ろから蹴られて前のめりに倒された姿を見た。
真司は足をおさえて泣きそうな顔をする吉田を抱き起してやった。
 
「小日向、そんなやつ、助けたって何の得もないぞ」
そう言ったのはいじめの主犯格である稲本武敏だった。
「寄ってたかっていじめるなんて卑怯だぞ。やめろっ」
真司は稲本に食って掛かった。
「おまえ、そいつに味方したらどうなるかわかってんだろうな」
稲本は不敵な笑みを浮かべた。
真司は稲本たちを無視して、吉田を医務室に連れて行ってやった。
 
この時から稲本たちは真司をいじめの標的にした。
いじめの環が広がっていき、真司は学校の中で四面楚歌になっていった。
 
しかし真司は毅然としていた。
それが返って稲本の癇に障った。


真司が生まれてから人生を全うするまでを連載小説として描いていきます。

<続く…>

<前回のお話はこちら>

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