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【ショートエッセイ】邪心とポンコツ頭

ぼくはお人よしで記憶力がない。
だから人に騙されたり裏切られることは多々あっても、すぐに忘れてしまう。
現に何度か裏切られた感覚はいくつもあるのだが、具体的に思い出せない。
だから裏切った相手に、恨み言の一つでも言ってやろうとしても何も言えない。
やられ損ってやつだ。

逆にぼくが人を利用することが得意で、記憶力が極めて良かったらどうなるだろう。
人を散々騙して自分だけ得をして、すいすい世渡りしていく人生だから、裏切られることはない。
しかし騙された人たちの悲しそうな顔を鮮明に覚えていることになる。
これはもうまともに生きていけない。

それなら簡単に人を裏切るけど、記憶力が悪かったらどうなるだろう。
さぞかし楽で愉快な人生を送れるんだろうなぁ。
果たして愉快なのかな?
人に恨まれていることに全く気が付けない。
だから人の気持ちを察してあげることもできなくなる。
どんなに愉快でも、こんな人生はまっぴらだ。

そうなるとぼくのこのポンコツ頭で良かったってことかぁ。


「傷ついたっていい 笑い飛ばして 傷つけるより全然いい」

(GReeeeN「遥か」より)


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