末っ子男子✖️末っ子女子の相性

ある日、友達の家で焼肉パーティーをしていたときのこと。
最初に来ていた３人で、焼肉の準備をしないといけない時間だというのに‥。

私たちは誰も焼肉の準備をしようと言い出さず、そろそろしなくちゃと思っても、どうすればいいかなぁとのんびりしていて、結局３人もいたのに、全然用意が進まなかった。

そしてこの３人の共通点は、のちに「末っ子」であるということがわかった。

そのあとでひとり、長男がやってきて、「なんでまだ何もやってないんだよ」と怒られつつ、焼肉の準備は一気に進むことになった。

私も姉がいる末っ子なのだが、どうも末っ子は、こういう複数の人がいる場で、率先して何かをやり始めるのが苦手だ。

たいてい小さい頃は、家族や姉や年上の親戚がなんでもやってくれるので、自分が何か手伝いをすることはなかった。

むしろ手伝おうとすると迷惑がられることが多く、末っ子には「おとなしく何もしない」という謎のスキルが身についている。

長男や長女といった長子たちは、こういう場ですすんで働ける。
飲み会でテキパキしているのはたいてい長子だ。

このあいだ、長子たちと飲み会に行った時には、長子たちがテキパキとものを頼み、気づけば目の前に頼んだものがずらりと並んでいた。
長子たちと飲み会に行くと、とてもラクだ。

しかし末っ子がどうしようもないボンクラで、いいところがひとつもないというわけではない。

末っ子は、家族の誰にも意見をきいてもらえずに、気づけばいつも自分に関係なく家族の意向が決まっていて、振り回されてばかりいるので、ちょっとやそっとのことでは文句もいわないし、振り回されるのに慣れている。

飲み会でたとえどんなおかずが頼まれていても、黙ってニコニコ食べているのが末っ子なのだ。
頼み方や、飲み会の雰囲気や運営などに不満を持つのは、たいてい長子なのだ。

姉や兄の理不尽さに振り回されているうちに、強靭な「振り回され耐性」がついていて、おおらかなのが末っ子のいいところなのだ。

いや、もしかしたら、兄や姉がすごく優しくて、甘やかされて育った末っ子ならば、そんな耐性はついてないかもしれない。

しかし、私は「優しいお姉ちゃん」「優しいお兄ちゃん」なんて人物は見たこともないから、やっぱり末っ子は理不尽に慣れているとしか思えない。

そんな末っ子男子と末っ子女子は、お互いおおらかで、相性がいいように思える。
境遇も同じだし、お互い文句も言わずにニコニコしていて、一見、相性が良さそう。

確かに、末っ子同士は同じ空気が流れて、のんびりできるし、友達には最高だ。

だけど恋愛となると、どうももどかしくてかなわない。

過去、私が付き合った人は、ほとんど長子だったが、1人だけ、末っ子男子と付き合ったことがある。

そのときは、ふたりで出歩くと、行き先もやりたいことも、全然きまらなかった。

2人でずっと「今日どうしよう？」「どうしよう？」なんていっていて、似たもの同士の居心地の悪さを感じた。

なんか行動も同じで、こちらが「困ったなぁ〜」なんて言っていたら、向こうも「困ったなぁ〜」なんて言っていて、なかなか問題も解決しない。

そう、焼肉パーティーの準備も進まないのが、末っ子同士なのだ。

そんなこんなで私は「お兄ちゃん男子」が好きだ。
どこに行くか決めてくれるし、なんとなく安心して甘えられる。
「困ったなぁ〜もうダメだぁ〜」なんて言うと、喜んで手伝ってくれるのが長子であり、とても頼りになる。

さらに言えば困った時、「困ったぁ〜。もうダメだぁ〜」と言って、面倒なことをなんでも長子に解決してもらえるのが「末っ子力」というものだ。

それに振り回されても喜んでくれるのが長子なので、長子と末っ子は相性がいいのだ。

末っ子同士だと困った人が二倍になるだけで、こううまくはいかない。

ん？
ここまでよく考えたら、末っ子は振り回されることに耐性があって、長子は末っ子に振り回されることに耐性があるってことになるな‥。

そう。
末っ子同士、長子同士は振り回されないけど、末っ子と長子はお互いに振り回され合う。
だから、相性がいい！

そんな振り回されてばかりの恋愛はイヤってひとなら、長子と長子、末っ子と末っ子で付き合うのがベストだけど、お互い振り回し合うのが、恋愛の楽しさじゃないか？

振り回され合うのが好きなマゾヒストには、長子✖️末っ子がオススメなのだ。