綺麗なあの子は十年前

あの子は綺麗だった

病的に白い肌が印象的だった


あの子は静かだった

周りとは話さず  私だけを頼った


あの子は駄目な子だった

私がいなければ  何も出来なかった


あの子はおかしかった

周りはあの子をいじめ始めた







全て 

はっきりと覚えている








あどけない顔も








苦しそうな嗚咽も







「せんせい」と私を呼ぶ

か細声い声も







私の腕を掴み  助けを求めた



真っ白で  小さな手の



生温い体温も








あの子は綺麗だった

泣いたあの子は  もっと綺麗だった


あの子は泣き続けた

泣き疲れたあの子は飛び降りた



私はあの子を愛していた

愛していたが故に  あの子を追い込んだ



私は

あの子を

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