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当たり前のことが、どこか美しく見えた

好きなドラマに「泣くな、はらちゃん」があります。2013年放送のドラマなので、少々古いドラマになりますが、大好きで、DVDを今でも持ってます。

主人公・越前さん(麻生久美子さん)は、学校を卒業後、地元の「ふなまる水産」に就職、以後、毎日、上から下まで真っ白の白衣を着て、朝から夕方まで、かまぼこ作りに明け暮れます。

田舎の海町の会社なので、素敵な彼氏に出会えるはずもなく、また、ふなまる水産は、女性社員の率が高そうな職場なので、やはり職場でも出会いは無さそうで、朝から夕方までかまぼこ作りという大変に単調そうなお仕事なので、後輩の女の子(忽那汐里さん)と、どちらが早くかまぼこを仕上げられるかで競争して「私の勝ちですね」「そうですね」という、大変にくだらないことでストレスを溜め、また、越前さん自身、美人さんなのに(麻生久美子さんですからね)笑顔が少なく、どちらかというと暗めで、いつもうつむき加減で、また社交的とは言い難く、飲み会等の親睦もどうやらあまりないようで、日々、鬱々としています。

そんな越前さんは、特にこれといった趣味も無さそうで、唯一のストレス解消としてやっていることがひとつだけあり、大学ノートに、自作の漫画を描いて、そのキャラたちに、自分が抱えている不満や愚痴、鬱憤、ストレスなどをしゃべらせ、描き殴り、その作業がある程度区切りがついてようやく、越前さんはほっとひと息つき、その日を終わらせます。

そのキャラに「はらちゃん(長瀬智也さん)」と名付けた男の子がいて、その「はらちゃん」が、大学ノートから飛び出てきて、その他キャラたちもやはりノートから飛び出てきて、越前さんの前に現れます。

はらちゃんは、スタジャンにジーンズ、癖っ毛で、ギターをいつも抱え、越前さんをなんとか笑わせよう、励まそうとしますが、越前さんにいつも冷たく「黙れ」とぴしゃりと言われ、ショモンとしてしまいます。

けどやはり、はらちゃんがなんとかして越前さんを笑顔にしよう、笑顔にしたいという気持ちはだんだんと越前さんに伝わり、はらちゃんは越前さんが好き、越前さんもやはり、はらちゃんが好き、お互いに気持ちが通じあいます。

そんな越前さんは、仕事へ行っても、心持ちが変わり、それまでただ毎日かまぼこを作るだけの日々だったのに、色んなことに積極的になり、業務のことにも意見を出したり、雑務も自分から進んでやるようになったりと、越前さんもはらちゃんの存在のおかげで、雰囲気が変わり、周りの人たちの、越前さんを見る目も変わってきます。

けどやはり、はらちゃんはあくまで架空の人物で、越前さんが作ったキャラクターなので、やがてお別れの時がきます。
お別れは悲しいですが、越前さんを変えたのは、はらちゃんの存在が大きく、それでも越前さんは前向きに生きることになります。

このドラマは本当に切なくて、ラストは私、ボロボロ泣きました(情緒不安定のオタク)
主題歌はTOKIOの「リリック」、挿入歌に「初恋は片想い」OP曲「私の世界」で、どれもCDを買いました。
TOKIOの「リリック」の一節に「当たり前のことが、どこか美しく見えた」とあって、この部分は本当に染みます(情緒不安定のオタク)
OP曲「私の世界」は、かもめ合唱団(?)という合唱団の子供たちが歌っているものらしく、「世界中の敵に降参さ、戦う意思はない、世界中の幸せを祈ります、おかしいですか?人はそれぞれ違うでしょ?だからお願い、関わらないで、そっとしといてくださいな、だからお願い関わらないで、私のことはほっといて」とあり、いかにも越前さんソングで笑ったものです。
挿入歌「初恋は片想い」は、恋の歌なんか嫌いなんだよね、似合わない、と、忽那汐里さん寄りに作られた曲だったそうで、メロディーは「私の世界」と同じですが、やはり片想いソングなので、ちょっと切ないです。

何より、麻生久美子さんが、儚げで美しく、着てるものも決しておしゃれとは言い難いものでしたが、麻生久美子さんが着ればそんなの関係ねぇ!(笑)
(要は中身なのでね)
忽那汐里さんも、今めっきり見なくなりましたが、ドラマでは可愛かったですし、長瀬智也さんも、もう事実上、芸能界を退いてる形で、本当に残念としか言いようがなく、DVDを買っておいてよかったと思います。

「ふなまる水産」のあるロケ地も訪ねました。ドライブがてらで、我が家からは2時間半くらいかかり、横須賀にありましたが、周りには何もなくて、お茶する場所すらなく、本当の田舎町で、びっくりしたものです(笑)

当たり前のことを美しく見れるって、それはとても素敵なことですよね。
越前さんも、またいつか、新しい恋ができますように。

当たり前のことが、どこか美しく見えた





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