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【詩/詞】脱走犯

定義されても どうしようもないって
不器用笑いで好感度
むず痒さを知りもしないで
脱走犯目指してる

聞いているのか 見ているのか
分かりもしないくせして
「ああしたらいい」って 
ガードレールに謙ってる

ふつふつ激っても 隠してみては
缶詰められる安心感に
流されるくらいなら
全部置いていって
目が砂を知るまで走ろう

どうしたのって聞かないでよ
ただその痛みの在処で
見てみたい 追いかけたいものへと
走りつづけたいんだ

脅されたって 足掻いて足掻いて
痛み知る方が「生きている」んだって
そう知りたくって 感じ取ってみたいから
今逃げ出してみるんだ

優しくしてるのか 甘やかしなの?
安全地帯は完璧だ
絶滅危惧種のその感情を
碇下ろして保ってる

その色寂しいアイデンティティに
停泊時間は必須課題
それは学習済みの計算問題
復習すればいいだけの話
恐れの運命扱いとやらには
飽き性でどうやら挑めるらしいから
留まる理由なんて多分幻
確かめるには
今飛び出してみるしかないんだ

痛いって分かってるからこそ
それが有意味だって
知っているんだ だからこそ
目が砂を知るまでは
走り抜けて止まらないんだ

どうしたのって聞かないでよ
ただその痛みの在処で
見てみたい 追いかけたいものへと
走りつづけたいんだ

帰り道ならば 何度も歩いた
もう迷うことはない大人だからって
知らぬ痛みを知ったふりしない
そう思えるような 勇気持てたなら
何度でも逃げ出してみたいんだ







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