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flier book labo 卒論〜コミュニティで大事なこととその可能性〜

みなさんこんにちは。りんです。

今回は先日最終日を迎えた読書会コミュニティー「flier book labo(フライヤーブックラボ)」(※以下ラボとします)への参加を通じて感じた「コミュニティを運営するのに大事なこと」とこの「ラボを通じて気づいたコミュニティの可能性」について書きたいと思います。

まえがき

私は今まで10以上のコミュニティに参加したり、運営したり、リーダーやったりと色んな形でコミュニティに関わってきました。(今も現在進行形)ここ2年以上コミュニティに関わり続けている理由は2つあります。

一つは本職のマーケティング領域で「コミュニティ」や「コミュニティマーケティング」が再度注目されつつあり(昔からある概念ではあります)私はこの施策が企業と顧客の今後の在り方を変えるキーの一つになると思っているので、実際に体験し経験を積みたいと思っていること。

二つ目はこれからの人生100年時代に個人の生き方として伝統的なコミュニティ(会社や家や地域)以外の第三の場所「サードプレイス」を持つことで個々人の魅力が開花する機会がもっと増えればと良いなと思っているからです。

とはいえ、実際にはコミュニティは立ち上げも運営も大変で難易度高いのも事実です。
失敗するケースの方が圧倒的に多いし、続いていても課題を抱えているコミュニティは多い。

そんな中、ラボでの5か月間の活動を終えての私の率直な感想が「完成度高いな」だったので、なぜそう思ったのか紐解きながら特に企業が運営するコミュニティで悩んでいる方、そして、今後のラボの参考になればと思ってます。

熱量が高かった

なんというかスタートアップや学生サークルノリでワーッと盛り上がる、とかいう感じではないのですが、一人一人のこのサロンに対する想いは暖炉の火のように静かに燃えてた感じがしました。最終回、参加出来ないメンバーも出張先の新幹線から様子を気にかけていたり、来れないはずだった人が予定を変えて参加したり。

一期終了後も次があれば参加したいと思っている人や引き続きこのメンバーと交流していきたいという人も多く、解散後も自発的になんらか自分たちで企画立案・実施しようとする人が何人も出てきました。

基本的にコミュニティで熱量高い人=自主的に動く人で、熱量を測る一つのバロメーターになるのですが、全体の人数の一割を超してるのでやっぱり全体として熱量は高いコミュニティだったと思います。

そして何より最終回のメンバー1人1人の表情がイキイキと良い表情をしていて全てを物語っていました。

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共創ができていた

とはいえ、最初から上手くいっていたわけではなく、アンケートの結果があまりよくなかったのをきっかけにflierCEOの大賀さん・COO荒木さんとメンバーで話し合いを行ったそうです。

その話し合いをきっかけにメンバーが自主運営する「企画チーム」が生まれ、運営元のflierと調整しながらかじ取りをしていきました。

そこから大分雰囲気が変わったようです。

(ちなみに私は途中加入組なので聞いた話をまとめながらの仮説になります。)

これにより運営側と参加メンバーの「共創」が生まれ、エンゲージメントの向上につながったのではないかと思います。

もちろん、実際に運営する企画チームは全員ではなく数名ですが、それでもそのほかのメンバーにとっても
「自分たちの代表が運営している」「自分たちを信頼してくれてる」という間接的なエンゲージメント効果が生じます。

コミュニティは人間関係がフラット、とよく言われますが実はそんなことはなく、参加メンバーにとって「運営」ってある種「上」の人なんですよね。
なぜならいろんな決定権(=権力)をもっているから。

もちろん、会社組織に比べれば壁ははるかに低い上下関係ではありますが、それでも壁がないわけではなく、その壁をどう乗り越えるかがコミュニティの雰囲気や心理的安全性に大きく関係します。

ただ、運営側って権力構造はコミュニティにはないと思っていたり、あることに気づいてもどう超えていいか、どうメンバーとコミュニケーションして良いかわからない人が多い。

壁を乗り越える解決策のポイントは「信頼して任せること」なのですがマネジメント経験がないとなかなか難しかったりします。

なぜなら「何を誰にどの程度任せるのか」決断の連続になりますし「任せる」って相手との信頼がないと出来ない勇気のいる行為ですから。いつも一緒に仕事している会社のメンバーとは違いますし、あくまでも外の人間ですから尚更ハードルが高い。

でもそのあたりは大賀さん・荒木さんというマネジメント経験豊富な方たちがいたことがこのラボにとってはラッキーだったのではないかと思います。

結果、コミュニティで理想とされるところの「自走型」コミュニティになり、自走することでメンバーがこのサロンを「自分ごと化」出来るようになり、満足度やエンゲージメントも高くなったのだと思います。

つまり私が「完成度高いな」と思った原因の一つに「運営側」と「参加メンバー」の線引きが上手く出来ていた、信頼関係がきちんと出来て共創が成り立っていたということがあると考えています。

心理的安全性の確保

おそらくこのラボに入ったメンバーはそれぞれ目的があったのだと思いますが、各自の目標が達成できたこともメンバーの高い満足感につながっていたと思います。

ちなみに私の場合は1つのテーマについて自分の意見をきちんと述べるようになりたいと思っていて、読書会に興味はありましたが、それほど読書好きではなく年に10数冊読む程度の人間なので月二回の読書会はハードル高いなと思っていました。

が、この読書会の場合はflierの「要約」を読むだけで参加可能だったので、それならできるかもと思い参加することにしました。
結果、本を一冊読まなくても特定のテーマについて意見を交わし、意見を述べることに抵抗がなくなったのは入ってよかったと思う点のひとつです。

さらに「この場所は頑張って良いことを言わなくても大丈夫」という心理的安全性があったので、「お金」「幸福」「愛」といった普段話さないような難易度高い哲学的な深い話も出来たのではないかと思います。

この心理的安全性があったから私のように一歩踏み出し、目的を達成出来たメンバーは多かったようです。

その一人サナフミさんのnoteはこちら

さらに毎回グループディスカッション後の発表の際には荒木さんが上手く議論をまとめてくださったり、補助線として助言を下さったことも心理的安全性につながっていたと思います。どんな発言をしてもスルーされずに受け止めてくれる人がいる、というのは、発言者にとってとても大きな安心材料になります。荒木さんの守備範囲の広さは本当に尋常ではありません(笑)

コミュニティでよく大事だと言われてるけど実際にはなかなか難しい心理的安全性が確保されていたことも私が完成度高いなと思った要因の一つだと思います。

コミュニティで大事なこと

色々紐解くに、このラボはコミュニティ運営で基本とされ、言い尽くされている「心理的安全性」「共創」が担保されていた結果「熱量」が高かったのだと思います。

でも、ラボも最初から上手くいってたわけではありません。試行錯誤しながらも課題から逃げなかった結果、完成度が高いコミュニティが出来たのだと思います。

コミュニティは生き物と言われます。絶対の正解はありませんし、予想もしないことも出てきます。雨降って地固まる、ではないですが、基本に忠実にトライアンドエラーで試行錯誤するのが何より大事で、その過程で自分たちなりの正解を探すしかないんだなと感じました。でも試行錯誤した分は着実に進化していく、まさにコミュニティは生き物なのかもしれません。

コミュニティの可能性

最終回のテーマが「愛」で、エーリッヒ・フロムの「愛するということ」を取り上げたのですが、その時に気づいたことがあります。

フロムの提唱する「愛するということ」はごく簡単にまとめるとこのようになります。

愛するためには相手に依存せずに自立していなければならない。そのためには自分を愛してないといけない(自分に自信をがないといけない)。そのためには、過去を振り切り、未来を向いて、自分を愛せるようになるための一歩を踏み出す勇気が重要になる。
また、愛するとは与えることであり、見返りを求めるものではない。ただ、自己が満足するだけのナルシズムとも違う。そのためには常に自負を客観視し、相手の立場に立つ、相手の話を聞くことが大切。

記事をまとめながら、自分に自信をつけるための一歩を踏み出す場として、第三のサードプレイスとしてのコミュニティは役に立てるのではないか、過去を振り切り、未来を向いて、自分を愛せるようになるための一歩を踏み出すきっかけになるのではないか、と思いました。

私も今までも何度か経験してきたのを思い出しました。

「この場があったから生まれて初めて趣味が持てた」
「今まで他に同じ話題を話せる人がいなかったけど友達ができた」「キャリアアップのために常に刺激しあえる仲間ができた」
「今まで自分で気づかなかった自分に気づけた」
「自社が閉鎖的で内向きだけど外の同じ職種の先輩にたくさん学べるようになった」

自分が関わったコミュニティに参加した方に言われた言葉の数々です。例外なく皆さん目が輝いていました。

さらにコミュニティでは、家と会社の往復では出会えない、普段接しないような職業も立場も年齢も様々なメンバーとのコミュニケーションを通じて、自分を客観視する機会を得ることもできます。(特に運営とかリーダーやると本当に色々ご指摘もらいます)

そう考えるとフロムの「愛するということ」を実践する場としてコミュニティって良い場所になるのではないかと思います。そんなコミュニティの可能性について気づくことが出来ました。

過去を振り切り、未来を向いて一歩を踏み出す勇気とコミュニティ

ここ一年くらいずっと自分の理想のコミュニティってどういうコミュニティなのかずっと考えていましたが、それがこのラボを通じてわかり、言語化出来たのが個人的には大きな収穫でした。

過去を振り切り、未来を向いて、自分を愛せるようになるための一歩を踏み出す勇気を与えられるコミュニティ

これが自分の目指したい姿だなと認識できたので、今後はこういうコミュニティに関われるように進んで行きたいなと気づくことが出来ました。自分がそういう場を提供できたら本当に幸せなことだと思います。なんだか目の前が開けた感じです。

コミュニティの可能性気づきを与えてくれ、自分の目指したい方向性にヒントをくれ、さらに知的好奇心を満たす充実した時間をくれたラボには感謝しかありません。

最後にbook laboの皆さんへ

最後に改めて、この場所を作り運営してくださった大賀さん、荒木さん、金城さん始め、flierの皆さんありがとうございました!

そしてこのラボでメンバーの皆さんに出会えたことを本当に嬉しく思っています。初日から骨折した人間を助けていただいたり、その後も暖かく迎え入れていただいたり、心から感謝しております。

この貴重な縁が今後も続くことを願いつつ、楽しい時間をありがとうございました!


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