音楽鑑賞アップデート~音楽と感情の関係を紐解く~

みなさん、こんにちは。りんです。
今回は私の主催するリベラルアーツサロンで実施した「音楽鑑賞アップデート#1」のレポートをお届けします。

アートの方で対話型鑑賞を実践してとても面白かったので他のジャンルにも応用できないかなと考えていた時に運命的に出会ったのが今回の高山(たかみー)先生。

つい数か月前まで本物の高校の音楽の先生、今は現役音大生である高山(たかみー)先生に「教科書的な音楽鑑賞」をアップデートすべく、今回の勉強会の講師役をお願いしました。

1.謎解きシリーズなんです

音楽と感情の関係を紐解いて作曲家・演奏家の思考の世界を謎解きしていくシリーズ「音楽鑑賞アップデート」。
今回は初回の基礎編でクラシック音楽を対象にしました。

今回の内容はこんな感じでした。

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2.謎解き本編

では早速本編に入ります。
特に講義パートもなくいきなりあの名曲「モルダウ」を聴いてのワークです。
学校の授業で聞きましたよね?(今もそうなのかしら?)

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https://www.youtube.com/watch?v=RrNV5WI8Duw&feature=youtu.be

聴いた後はグループに分かれて感想をシェアしてもらいました。

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グループA
曇りから晴れ ⇒ 小川のイメージ。草花が生えている。自分がのめりこんだ
懐かしかった ⇒ 小中の頃にモルダウと魔王が好きだったその頃の思い出を思い出す
雄大な河 ⇒ サビの部分が人生を感じる
湧き水から大きな河 ⇒ 街や都市に流れていく
グループB
上流から下流、最初はチロチロ、最後は壮大最初はスタッカート、上流のイメージや虫などの小刻みな感じ。川幅が広がって、大きな船、豊かな生物
ボートに乗っている感覚で聴いてみた。同じリズムが続いているがいろいろな音が加わっていて、速度の変化があるようだった。ダムから出て一気に広がった感じ
細い川が速いスピードで流れている。急に太くなった。
スタッカート→虫の音、渦に取られる
太くなった→音が合わさっている、鍵盤の幅が広がっている。一音が長くなった。大きくなって迫力が

皆さんはどんな感想でしたか?
ワークの後は先生からの講義です。

音楽鑑賞の要素を大きく2つに分けるとこの2つに分けられます。

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そしてこの2つの要素の関係はこのようになっています。

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具体的な例で見ていきましょう。

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そしてこの「知覚」と「感受」の往還は人それぞれ違います。

作曲家や演奏家の「知覚」や「感受」に擬似アクセス出来るようになると作曲家や演奏家との「対話」が生まれます。

この「擬似アクセス」=「謎解き」が出来るようになると音楽をもっと楽しめるようになります。

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ここで再び実際の音楽を聴いてグループワークです。

そしてワークの2回目はサン=サーンス作曲《動物の謝肉祭》より、「アクアリウム」
https://www.youtube.com/watch?v=wBGEf4urGNo&t=564s

聞いた後は再びみなさんに感想をシェアしてもらいました。

グループA:ゆらゆらした感じ、いろいろなものの集合体。
why →音の要素のばらけ(多様な楽器がそれぞれのフレーズ、メロディと無音奏法が混合、掛け合い的)音階に流れに落ち着く先がない。発声が柔らかすぎる。
水のゆらぎ(ヴァイオリン・他)と魚のうろこのきらきら(ピアノ)
映画ハリーポッター賢者の石で、ハリーがマグルの家に夜いる時(ハグリッドが迎えに来る夜)を思い出した。ソフトに奏でられる音が、魔法使いの夜を連想させたのかも、、、演奏風景の床板(木目)の感じとかも連想に紐づいたのかも、、、、→私は音楽と何かを連想しているのも、、、 ウィキで調べた、、、
高音かつ鍵盤のパタパタした音が、星の光のちらつきを感じた。最近北極に行った人の夜空の写真を見たせいか、雄大な空と、自分の心の動きを感じ、決断に至ったイメージ。音の強弱が、星空のミクロとマクロの視点(視界)
グループB:
「悪夢からの開放」キラキラ:高い音、夜中:暗い音、流れ星:短い高い音、悪夢から良い夢:太い音から鉄琴、良く寝なさい:ヴァイオリンの伸びのある音、よく寝た:みんな優しく一斉に終わる、チェロとピアノが悪夢のキャラ→分析的に聞いている。感受が取れると音に注目できる。
繰り返し:自由を求めている感じ→「水槽」→独特な表現がある。情景だけじゃなくてその中で訴えているものを推察している。ブドウをしていて、音楽に呼吸を合わせる。音楽を擬人化して共感する。
@巨大水槽、ピアノの速い動き:小さい魚の動き、ピアノの低い音:大きな魚の動きに逃げている、水のはねる鉄琴の音、チェロの音が大きい魚で小さい魚に近寄って慌てる、小さい魚が岩場に隠れる、→ミクロの目で見るのが
鉄琴のダーってやつ、良い夢っぽい

みなさん、講義前の最初のワークの時より鑑賞の表現の幅が広がって繊細になってたのに驚きました!短時間で目覚ましい進歩!

最後に高山先生からまとめです。
ここ、テストに出ますから。多分。笑

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こんな風に「知覚と感受」つまり「音楽的要素と感覚・感情」を行ったり来たりすることで音楽への理解が深まり、鑑賞に幅が出てくるということですね。さらに他者との交流・対話が加わると自分の中の思考や感情の過程を可視化するだけでなく、違う視点も得られます。

このあたりはアートの対話型鑑賞と共通するところですね。そして音楽鑑賞はじめ芸術鑑賞の面白さでもあります(^^)

3.個人的まとめ

今回の個人的感想は「イチ参加者として参加したかった(涙)」です(笑)

自分で主催している勉強会や読書会当日は状況に応じて自分が参加者に出来るだけなるようにしているのですが、なんだかんだ予想外のこととか起こるので現実にはなれないことの方が多く。
それは仕方ないことなんでこうやって後からnoteでレポート書きながら1人リフレクションしたりするのですが、今回1人リフレクションでワークをしてもいまいちしっくり来なくて(笑)
やっぱり先生のいる場でみんなとやると違うなと。

でも逆にいうとそのくらい中身の濃い充実した内容だったんですよね。主催者がいうのもなんですが(笑)
事前の打ち合わせ段階での構成案も本当によく考えられてましたしね。

いや、今回に限らず毎回打ち合わせの時に思うんですが企画・構成をちゃんと考えてくれる講師役の方たちばかりでホントに学びの質が高い!(自慢ww)

だからいつも講師役を担当してくれるみんなには感謝しかないです。

念願の対話型音楽鑑賞の第一回目が実施出来て本当に良かった。
ご参加いただいた皆さん、先生役のたかみー、ありがとうございました!

今回はクラシックを対象にしましたが、他のジャンルにも広げていく予定なので、次回はあなたもご参加くださいね(^^)

ご興味あるかたはこちらからどうぞ

https://www.facebook.com/groups/251416526053730/?ref=share


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