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元V系のイケメン彼氏。だけど、怒り方を知らない。電話100件かけるストーカーになってしまった。

大学デビューを果たした私。今までモテる機会がなかった私にとって大学はすごく素敵な空間だった。大学というより東京の街に染まりたい。という思いの方が強かったのかも。

私は、いろんな人と関りを持ちたかった。いろんな人と友達になりたかった。なぜなら友達がたくさんいる人がキラキラ見えたから。だからこそやめられなかった。SNSで出会うこと。自分に興味を持ってくれる人と簡単に会える。

でも、そんな私の甘い考えは、自分を苦しめる大きな原因だった。私が彼と出会って学んだのは「吉凶禍福は糾える縄のごとし※」ってことを実感した。まあ、あの時の私は大学デビューの魔法からとけていなかったから自業自得なのかもしれない。

※幸福と不幸は、より合わせた縄のように交互にやってくるということ。 吉凶は糾える縄の如し。


顏かっこいいのに、すごいマニアックだったそのギャップに惹かれた。3つ年上な彼。

出会いはSNS。でもマッチングアプリじゃない。今回は掲示板のようなもの。彼は最初から彼のことばの独特性。言葉と言葉の間。そこに興味を持ち私は電話やメッセージをするようになった。

「今日はなにするの?」

こんな会話をするのが毎日だった。

実はいうと最初は顏はしらなかった。タイミング彼はもともと顔出しはしてなかった。だけど話して仲良くなるうちに彼のことを知りたくなった私は、彼そのものを知りたくなった。

二重がぱっちり。白い肌。高い鼻。すごくきれいな顔立ちだった。隣を通れば振り返ってしまうほど整いすぎている顏。肌。雰囲気。ほんとうに。見ているだけで絵画として見れるレベル(笑)そんな彼の顔をしり、彼にすごく興味を持ち始めた。「会いたい。」の気持ちが加速した。

電車で20分の距離。彼と会うのは思ったよりも簡単だった。私たちは住んでいるところがそう遠くなかった。彼のお家の近くで初めて会った時から彼は毎回の電車代まで心配して、彼と会うとき専用のカードを私にくれた。私のことをそんなにも好意を持っているんだって勘違いして私は純粋に喜んだ。

一見遊んでそうな彼。だけど、いつもPCに向かって作業してる。暗号的なものが好きだったのかな。とその当時は思っていた。実はいうと彼はプログラマーでフリーランスをしていた。その当時は無知すぎて何がどうなのかわからなかった。だからこそ、その話を分かりやすく教えてくれる彼。作業を真剣にやっている姿に惹かれた。

大学に入ったばかりの私の周りの大学生に比べると人間的に成熟しているように。余裕があるように見えた。

「いつでもお家に遊びにおいでよ。いつもお家で作業していることが多いんだ。」

彼はいつもこういった。私は、一つ前の彼氏をいわゆる”大学デビュー”で選んでしまっていたからその大人な行動に惹かれた。そしていつも家の近くまでわざわざ迎えに来てくれる。私はそんなに尽くされたことがなかったから無償に浮かれた。調子にのった。それと共に少しずつ彼のことが特別に見えてきた。いつも私にやさしくしてくれる彼だった。

本当に優しい彼だった。


本当は、彼はコンプレックスの塊だった。でも私のプライドが彼の悪いところを見ないようにしてた。

彼は大学名や大学の話をするのが嫌いだった。彼は私より学歴的には高くないことを気にしていたように見えた。私はそれをそんなに気にしていなった。はずだった。

彼は正真正銘の学歴コンプレックス保持者だった。私はSランの大学に入ったばかりで、うかれていた。大学には本当に頭がいい人や、いろんな経験を持ってきている人、もちろんお金持ちそんな人がいた。だからこそ今までそな環境じゃなかった私は本当にそんな大学に入った自分が褒められるのが好きだった。自分の大学に誇ちを持ちすぎている私は、その時、私が学歴コンプレックスだったのも知れない。私が気になって大学を聞きすぎると彼は、すこし怒った。

「やめよう。」

その時、私はすこし調子に乗りすぎた部分があったと反省した。そんなかっこよくて、優しくて私のことを思ってくれる彼。そんな彼の嫌なことはやめよう。


「おい、お前!ちょいまてよ。いい加減にせえ!」

びっくりした。

彼からこんな声量ができることに、人にこんなに怒ることに。人にこんなに叫ぶ彼を見て、怖くなった。「あれ、私にだけ優しいのかも。」

ある日、彼と私が雨の時に二人並んで道を歩いていた。その時、私たちの間を無理やり通っていくおじさんがいた。すこし変わったおじさんだった。でも普通「変な人がいるね。気をつけよう。」くらいのレベル感だと思う。

ただそういう人は世の中に一定数いる。だからこそ、そこに対処しなければいけないのは分かる。その変な人に対してすごい剣幕で発狂している彼が本当に怖くなった。いままでのすべての優しさが怖さにかわった。あまりにも残酷な声の出し方だった。とりあえず彼が怖くなった。今までの彼と、ひとが違うように機嫌が直らなくなった。


人と関係の終わり方を、知らなかった。それが最悪の始まりだった。不在着信100件。SNSのなりすまし。

私は次第に彼と連絡を取らないようにした。ラインが来る。けど「大学が忙しい。」のを理由にして未読無視から始めた。それが本当に間違いだった。

彼は反応がない私に対して、頻繁にラインしてくるようになった。

「今なにしてるの?起きてるでしょ。」
「なんで返事ないの?バカなの?」
「返事しろ。」
「は?なんで返事しないの。」
不在着信2件。
 ・
 ・
彼の激しい言葉はだんだん厳しくなっていった。そして電話もかかってくるようになった。それを甘くみてた。日に日に強まる恐怖。私は彼に返信を送るのでさえ怖くなった。動けなくなった。

「おまえどうなっても知らんぞ」
「警察に行っても無駄だからな」
不在着信100件。

私は無視し続けた。本当は怖くて何もできなかった。だから怖くて、ブロックはできなかった。3週間毎日だった。一か月をすると次第におさまっていった。

ある日、普通に大学に行くと友人が話しかけてきた。
「のんちゃん新しいアカウントでインスタ始めたんだね。」
「え?私変えてないけど・・」
確認してみると、確かに私の顔写真のアイコン。プロフィール文に私の名前。年齢。出身・・・・完全に私だった。
私が、以前投稿していた写真がアイコンに使われていた。「怖い。」

今まで聞いていた「今日なにするの?もっと教えて。」
これは全部保険のためだったんだ。

また彼の顔を思い出した。彼は私のなりすましをして私の友人をだまし、ひどい投稿をたくさんしていた。すぐさまクラスのみんなに自分じゃないことを説明してブロックしてもらった。するとアカウントは停止され消えた。

私は気が付いた。彼の今までの私への優しさや気にかけてくれる言葉はすべて私の行動を知るためだったんだ。と。


新宿東口で時々待ってる。ストーカー。

友人と新宿で遊ぶときに時々使う新宿。彼が時々いる。見かけたら全力で逃げた。

「あ、これストーカーかな。」

私は、もう何をするのも怖くなった。逃げたくなった、どうしようもなくなった。彼を見かけるのは新宿の東口だけ。私はもう一生あそこには近寄らない。

そんなとき、私は新しい彼と出会った。だから、その彼は優しく堅実な彼。そんな彼にストーカーのことを癒してもらうことで、人や場所への恐怖感が消えていった。ストーカーの彼は今どこで何をしているのか全くしらない。ラインもブロックできた。恐怖という感情しか今では残ってないけど、彼は彼なりの環境やストレスがあったのかなと今では思える。彼との思い出には何も成長できたことなんてない。と思うくらい恐怖しかない。

もう、私は調子にはのらない。

<最後まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。不快に思わせてしまった方本当に申し訳ないです。
 恥ずかしい経験談ですが、私はこの過去をすごく気に入っています。彼に出会えたことを幸せに思います。
 もしよければ、コメントとかにこの話を読んでどう思ったか、どう感じたかを教えていただけるとうれしいです。>

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