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読書日記

フィリップ・K・ディック「ペイチェック」
フォロワーさんからのおすすめ。SF短編集。表題作めちゃくちゃおもしろかった。ロジカルなミステリーみたいなかみ合わせの良さ、ラストシーンに、お!っとなった。「たそがれの朝食」も良かった。全体的に皮肉めいていた。解けないパラドックス。

村山由佳「天使の卵」
フォロワさんがポストしていたのが気になって、調べたら小説すばる受賞作だったので読んでみた。うーん。文章はきれいだったけど、内容は好みにあわず。著者が「切ない小説が書きたい」と言ったらしいんだけれど、小説内の全てが「切ない」への道具のように感じてしまった。

吉村昭「海馬トド
前作「星への旅」は人の死を真正面から書いていたが今作は「人の生きる営み」が書かれていると感じた。人間社会のしがらみに疲弊した登場人物たちは、自然の中で生きる動物たちと深く関わることで、生きる安らぎを覚えたり、人を再び愛し始めたりする。人も自然の一部なのだよね。

綾辻行人「十角館の殺人」
ミステリ全く読んでなくて「おもしろいの読みたい」と言ってきた知人におすすめしたので、自分も久しぶりに再読。何回読んでもおもしろいのね。すごいよ。今でも、これを超える日本ミステリあるかな……と思っちゃうもんね。

有栖川有栖「マジックミラー」
「有栖川有栖を読みたいんだけどノンシリーズでおすすめ何?」と知人に聞かれて「個人的に好きなのはこれ」と紹介したから自分も久しぶりに再読。トリックも物語も全部覚えてるくらい読んでるのに、やっぱりおもしろかった。切ない。切ないよぉ。

中山七里「さよならドビュッシー」
ミステリー初心者の知人に貸すため、自分も久しぶりの再読。やっぱりおもしろいね。ピアノは詳しくないけれど、凄さが伝わってくる。音楽小説としても素晴らしいと思う。青春小説でもある。ミステリーとしても満足。

道尾秀介「カラスの親指」
こちらも、知人に貸すため久しぶりの再読。うまくできてるよね。おもしろかった。ここまで大胆にやってくれると、潔くていいよね。

真梨幸子「殺人鬼フジコの衝動」
イヤミスだよね、と思って読み始めたけれど冒頭から胸糞描写がしんどかった。「最後の頁で衝撃!」という帯に期待して読んだけれど、終始胸糞で、衝撃!というほどの衝撃でもなく個人的にはいまいち。めちゃくちゃ売れたんだよね?みんなイヤミス好きなんだね。

道尾秀介「カエルの小指」
「カラスの親指」がとても好きなんだけれど続編が出ていたことを知らず!慌てて買った。カラスの〜同様、読みやすくておもしろくて、騙される快感のようなものがあった。ただ、カラスの〜がかなりの傑作なだけに、比べたら個人的にはカラスの〜のほうが良かったかな。

伊坂幸太郎「777」
伊坂ワールド全開。最高。著者のこと好きだからかなりいろいろ疑りながら読んだけど、しっかりすっきり楽しませてもらった。みんなやってることは悪いことなのに、印象が分かれるのはどうしてだろう、と殺し屋シリーズを読むといつも思う。人間心理の不思議。

上遠野浩平「ブギーポップは笑わない」
実はラノベというものをほとんど読んだことがなくて、でもこれだけ人気があるのだから読んでおこう、と思って、自分が知っているタイトルのものを読んだ。文章は読みやすく、おもしろい群像劇。細かいところがはっきりしなくて少しモヤモヤした。


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