シェア
海亀湾館長
2020年12月18日 12:28
短編小説◇◇◇ 寺林涼子は職員室にある自分の机に置いてあった二つ折りのメモを見つけて、高校三年生のある男子生徒の顔を思い浮かべた。 涼子は以前、その男子生徒から詩のようなものが書かれた手紙を受け取っていた。性器を見たことがない……とか、そういった気味の悪いセクハラまがいの文面だった。もしもそれが、ポストに入っていた差出人不明の手紙なら、最後まで読まずに破り捨てていたと思うが、涼子はその