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おまえの罪を自白しろ感想※10/22追記


政治家たちの陰謀渦巻くサスペンス

どうにも煮えきらない気持ちを抱えてやるせない気持ちを押し殺しながら議員秘書をしていた主人公の晄司が、少しずつ自分から動き出して真相へとたどり着く物語。

政治の陰謀渦巻く駆け引き、施策と一般市民との関係、警察の正義とは?など、じわじわ現実とリンクする「闇」に色々と考えさせられた100分。
映画もドラマもまったくのど素人女の感情備忘録なので、玄人の方は「へぇ素人ってあの場面ではこんな発想になるんだ…ふーんおもしれー女」程度に流してください。

全体の感想

個人的には最後の最後で来た主題歌と展開の爽快感にやられてしまったので、単純に「おもろ!!!」という感情で胸がいっぱいでした。
あの最後のにやり顔×2と主題歌のサビセットでぶち上がらん人おらん。

100分という尺の中で、前半は事件の発生~一段落・後半は事件の真相まで一気に駆け抜けるという構成です。
政治家たちの駆け引きや人間模様を見ているのは個人的にかなり面白かった。

2回目を観た追加の感想※10/22追記

あまり映画を2回以上観る習慣がないんですが、「あの場面ちょっとよく分からなかったからもう一度見たい」「あの登場人物って結局どこの派閥だったんだっけ?」と疑問点が多すぎたのでもう一度観に行きました。
推理ものって、結論知ってたら二回目見る必要ないのではと思っていたけど全くそんなことはなかった。
むしろ二回目の方が解像度が上がったので、「あ~なるほどねこの伏線はあとでここにつながるのね~!」という風にこちらの観る視点が全然違ったので、映画のこういう楽しみ方があるということを知れたのは個人的にとても良かったです。
2回目はそれぞれの思惑・目的を知った上で観れたから、より各キャラへ感情移入しやすくて良かった。

キャラ一人ずつの感想

宇田晄司(中島健人)

もうとにかく現実(?)の中島健人の性格にぴったりすぎるキャラでした。
家族のためには相手が誰であろうと忖度せずに全力で意見を言える、でも計画なしに真正面からぶつかるだけじゃなくしっかり頭も切れる、そして正義感溢れる役柄はさすがに似合いすぎです。
きっと役じゃなくても中島さんは大事な人のためにはこうやって奮闘してそうだな~と想いを馳せていました。
最初は巨大な闇に抗ってもがいていたけど、ストーリーが進むに連れて少しずつ”ルール”を理解し「政治家」に成っていくさまはわかりやすかった。
木美塚幹事長に「言うねぇ」と言わせたシーンが一番のお気に入りです。

ていうかもうスーツの中島さんの色気どないなってますの?
国民全員(わたしも基本スーツ)着てるはずの服がなぜそんなに輝いて見える?

2023/10/22追記
2回目もやっぱり、木美塚との対面シーンが一番刺さった。
それ以外にもたくさんあるんだけど、やっぱりあのシーンが晄司にとって一番の分岐点だなと。
どこまでも真っすぐで自分の正義を曲げなかった晄司が、あそこで少し雰囲気が変わって駆け引きをしていく姿がかっこよかった。叶うことなら木美塚とバチバチにやり合う第二章が見たいよ~

宇田清治郎(堤真一)

お父さ~~~~~~ん;;
人間の心を捨てきれていないお父さん。
ゆずはちゃんの写真もしっかり飾っていたお父さん。
色々手は尽くしたけど最終的に為す術がなくなり、自分ではなくゆずはちゃんを取ったお父さん。
奥さんが亡くなってから汚れ仕事を…というセリフを聞いて、3人の子どもを育てるためにがむしゃらに汚れ仕事を請け負って出世街道を駆け上がったのかなとか勝手な想像は膨らんじゃったよね。
しっかり総理の右腕(イメージ)だった時は声も含めて威厳あるように見えたけど、後半は力も名声も失い少し小さく見えたから堤さんってどちらにも魅せれて本当にすごいなと感じました。

2023/10/22追記
観れば観るほど「家族のために汚れ仕事を進んでやってきた」覚悟を持ったお父さんにしか見えなくて、その気持ちや政界の事情を知らない晄司が突っかかるたびに「あぁ……;;違うのよ晄司…;;」とやきもきしてしまいました。
清治郎のしたことはもちろんいいことではないし、政治家の繋がりや自分のポストを確固たるものにするために莫大なお金を動かしたりするのも本当にあるんだろうなと切ない気持ちにもなったりしたけど、保身のために誰かを裏切ったり私腹を肥やすことがない人柄だったから好きになってしまった。ちょうどいい塩梅。
晄司が「そんなこと今はどうでもいいでしょう!」と言った総理へのお願いも、今まで必死に守ってきたお父さんからしたら全然どうでも良くなかったよね…でも孫娘ももちろん大事。総理も大事。一緒に戦ってきてくれた秘書たちも。
お父さんが背負うものが多すぎて、ぐっと拳を握りしめながら自席で葛藤する姿はさすがに泣きました。

宇田揚一郎(中島歩)

終始お父さんから期待されていないのが丸わかりでただただ切ないポジションだった。
後半部分の出だし、晄司が一人で行動する前にお兄ちゃんが心配して一言かけつつも背中を押して見送ったのも切なかったなぁ~…。
もうあそこで「あぁ、自分じゃないんだ」って分かってたんじゃないかなぁと思うような描写だった。
そして最後のこっそり聞いているところも…でも聞いてるのはお父さんの目線的にバレてたよねあれは…嗚呼切ない…

緒方麻由美(池田エライザ)

前半部分で一番演技に惹かれたのはこの方だった。
感情移入しやすい役っていうのもあるかもしれないけど、ゆずはちゃんを失ったときのリアクションから、ゆずはちゃんがピアノを弾いてお歌を歌ったときまで、本当にリアルでもらい泣き何回もしてて必死に音出さないように暗闇で格闘してたよ。
事前に映像をほとんど見なかったおかげで、一番直近に見たニノさん(日テレバラエティ)でのエライザさんとは別人?ってくらい風貌も纏う雰囲気も違ったので最初誰か理解できなかったくらい。
あの空気感、本当にすごすぎる。

夏川泰平(金田明夫)

総理~汚れ仕事をたくさん請け負ったお父さんを守ってあげてよ~;;(宇田家の回し者)
とも思ったけど、まぁ人間そんな簡単じゃないよね。保身に回るよね。
そういう描写もリアルでよかったです。

木美塚壮助(角野卓造)

もうキャラとしては本当に最高。
待ってましたってくらいのヴィラン。笑
あの黒い部屋の雰囲気も相まって、裏ボス感満載でした。
「言うねぇ」の時からもう晄司のことはお気に入りになってるんじゃないですか?ラストの表情、ここから彼と戦えることをちょっと楽しんでませんか?
第二章があるならば、政治デビューをする晄司と総理になった木美塚の駆け引きや騙し合いを見たいなぁ。

平尾宣樹(山崎育三郎)

「えっこの方なに…?何か一人めっちゃ綺麗な人紛れ込んでない?
清潔感もめちゃくちゃあるし警察の役にも合ってていいな…」
これが一番最初に感じた感情w
お名前見てようやく、いくちゃんとミュージカルやってた方だ!と記憶の中の点と点が繋がりました。
そりゃあ綺麗なわけだ!

最後に

最後、おそらくあの事件から時が経ち。

今度は息子が反撃するぞと言わんばかりの気迫で
木美塚さんに詰め寄る晄司の顔バーン!!!

主題歌バーン!!!

「アアアアアアアア!!!」

となり、無事に今までのストーリーなどが走馬灯のように流れて感情がぶっ壊れたわけですが、B'zの音楽は何もかもを吹っ飛ばす爽快感がたまらんですね。

吹き飛ばしてやりましょう
意地悪な黒い雲を(let the wind blow)
探し出してみせましょう
塗りつぶされた虹を(catch the rainbow)

Dark Rinbow/B'z

英華のためなら
えんやこら泥も被ろう
そんな覚悟の亡者
胸算用で目が回る

Dark Rinbow/B'z

このあたりの歌詞、映画を見た方だったら特にグッと来ると思います。
あの爽快感を味わいたいので、この週末でもう一回くらい行きたいなぁ。

「あなたなら何を守る?」


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