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私の就職活動

はじめに

法学部出身者が医薬品研究ITを担当している変わった経歴を在籍していた大学の後輩向けに話をすることがあったので、私の経験したことをまとめた。

就職の決定

私も大学3年生の時に、就職するという意思決定をした。それまでは私も司法試験を目指して勉強していた。しかし、自分の力に自身が持てず司法試験はあきらめた。教科書や判例(先例としての判決)の暗記は得意だったが、「人格的な生存に必要不可欠な生活上の利益」と定義された「人権」という考えを私は3年間考え続けても自分の言葉では説明できない、そんな自分の理解力に不安を感じていたことを覚えている。但し、社会人経験を通じて、徐々にこの「人格的生存に必要不可欠」、すなわち「それが失われてしまっては生き甲斐すら感じられないような守るべき領域」があり、その基準がどのようなものなのか少しずつ説明できるようになってきた。今は社会人経験をすることは将来また弁護士を目指すとしたとしても意味のあることだと思っている。

業界の決定

大学3年生の時に、大学の就職課が主催する業界説明があったので、銀行、証券、保険、不動産、製造業、サービス業など可能な限りの業界説明を受けられるだけ受けた。法学部の学生は進路が特定の業界に偏っているので、広く業界を分析することはよいことだと思う。私はNTTデータの担当者がIT業界の説明をしていたことを聞いたことを契機にIT業界に興味を持った。また、ITバブルの時期でもあり、採用枠が多かった時でもあった。IT業界に特化した就活本を何冊か読み、自分なりに親会社のない独立系のIT企業100社のランキング表を作成した。まず50位の会社を受けて、内定を得られたら25位の企業を受ける。そこが受かったら、更に10位、5位と受けていった。最終的に3位の企業から内定を得て、1、2位の企業に不合格となった時に私の就活は完了した。
面接では、「なぜ法学部なのにITなの?」という質問には「法律と会計とITを理解したビジネスマンになりたいから、まずSIerに入社して、ITを勉強したい」と説明した。なぜ弊社を希望するかと問いは、「御社は3位です。なぜなら、日本で3番目に大きな会社で、ITを勉強するためには従業員の教育制度が充実している会社がよいと考えた」と説明した。無理に志望理由を捻りだすよりも、本音でぶつかるほうがいよいと思う。就職氷河期にこれだけの内定を得られた理由としては学生の時の成績とペーパーテスト成績の影響が大きいと考える。懸命に司法試験の勉強をすることは間接的に将来役に立つ。ペーパーテストの結果がよいと面接の次の日に人事から「成績がよかったので、あなたはぜひ次の選考に進んでください」と連絡があるので、わかります。

就職してから

新人研修は半年あった。同期は300人いた。入社してから、1年目で病院で電子カルテの要件定義を担当した。よりスキルの高いエンジニアがいるのに、自分が要件定義を担当できたのは一次受けである大きなSIerの正社員であることが理由であると思う。そのSIerの正社員でなければ、経験できなかったので、大企業に入社することは大切だと思う。
その後、医薬品の製造販売後調査、治験、安全性の管理、レギュレーション対応などを経験し、現在は医薬品の研究のためのコンピュータシステムの開発、維持管理を担当している。これの話はまた別の機会でする。

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