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カナダで保育:自分中心の私たち

最近バンクーバーもようやく夏本番という感じで暑い日が続くようになりました。

そんな日は外に水遊びを設置し、子ども達は水着と水遊び用の靴、日焼け止めと帽子をかぶっていざ出陣!となるわけですが、そんな中でちょっとした事が保育士同士の間で話題になったのでシェアしたいと思います。


カナダで働くようになっての一番の気付きは、みんな自分の為に生きているなぁという事。

当たり前の事ではあると思うのですが、日本にいた時は家族の為、親の為、子どもの為と誰かの為に動いている人が多い印象でした。

保育園でも、他の保育士に迷惑がかかるからと有給が取れなかったり、残業をしたり、持ち帰りや休日出勤があったりと、まぁこれは一概に「誰かの為」というより仕事の在り方がそうなのかもですが、誰かを気にしての行動が多かったです。

それに対して悪い印象を持っているわけではなく(大変だったなぁとは思いますが)、他の人を気遣って行動が出来るというのは日本の文化の一つなんだと思っています。

カナダでは自分で意思表示を言葉でしない限り基本汲み取ってもらえません。

だからと言って1から10まで伝えないと何もしてくれないという事ではなく、暗黙の了解でお互いをサポートしあう事だってあります。


ただ、最近身の回りで自分の事に精一杯なのか、他の人(同僚や子ども達)にあまり気遣いを持たない、というか正直それは自分本位すぎでは?と思う事が増えていっているという話になったんです。


最初は水遊びの準備をしている時の話からでした。

何度伝えても水遊びをする為の水着などを持ってきてくれない保護者(実際に持っているのは知っています)。

園の物を貸し出すとなかなか戻ってこない。

水遊びの後は疲れていつもよりお昼寝ぐっすり寝てました、と伝えると「夜寝なくなる」と言われる。

そんな話が出てきました。


保護者からの要望で、うちや上のクラスで特に多いのが「昼寝の時間を少なくして欲しい」という事です。

私も夜の眠りの方が昼寝より重要だと考えていますし、遅くまで寝れなくて朝起きる事が出来ないというのであればお昼寝を少なくする事も必要だと思います。

特に上のクラスは学校ではお昼寝時間はないので、それに体を慣らす必要もあります。

ただ、何の手助けもなく横になっているうちに寝てしまうという事は(基本お昼寝をしなくても休憩、体を休める時間はあるので)その子の体は眠りを必要としているという事だし、起こしたとしても目も明けられず動けないという事はまだその子は休憩が必要だという事。

私たちは強制的に起こす事はしません。(声掛けはしますが)

ただ、それに対して苦情を言う保護者もいて、その理由を聞くと「子どもが7時に寝ない」というんです。(本当に結構いるんです!)

個人的には「いや、早くない?」と思いました。

園は6時まで空いていて、その子たちのお迎え時間は大体5時前後。

その後家に帰ってご飯を食べてお風呂に入って、となったらすぐ就寝という事です。


子どもと過ごす時間はどうなのでしょう?

会話はしていますか?

一緒に遊んでいますか?


もちろん週末は一緒に過ごしているわけですし、時間の長さが全てではないのも事実です。

一緒に過ごす時間が短いからこそのクオリティタイムがあるのも知っています。

決して「親は子ども中心に動くべき!」という事を言っているわけではありません。


でも、子ども達は成長して、もっと友達も出来て、世界が広がっていって、となったら一緒に過ごしてしっかりと信頼関係を結べるのって今のこの時期に絶対大切で必要だと思うんです。

その繋がりがあれば、後々過ごす時間が少なくなっていったとしてもきちんとコネクションを保てる。


相手(親)を信頼することが出来る。


そして子ども達がそんなに早く寝ているのに、忘れ物が多いのはどうしてなのでしょう。


貸し出したものが何日も戻ってこないのはどうしてなのでしょう。


この時期に作れなかった信頼関係をいつ作るつもりなのでしょう。



親として過ごす時間、社会人として、妻(夫)として、娘(息子)として、そして自分として過ごす時間。

それぞれに役割があり、切り離す事は出来ません。


結局何が「正しい」でも「間違ってる」でもなく、その時のその人のその状況でベストなバランスを吟味していくしかないんですよね。


ただ全体的にそのバランスが自分中心に以前より傾いていっている事を感じる機会が増えたのも事実。

みんな、私自身を含め、自分中心であるというのは当然の事。


その上での他人への気遣いで世の中は成り立っているのに、そこが崩れ自分本位の行動を取る人が多くなっていってしまうと、今後子ども達はどうなっていってしまうんだろうね、という話で終わりました。


皆さんはどう思われますか?


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