2.7m/sによる拡張――2024年8月30日
有給だったので、映画『ラストマイル』を観た。大手通販サイトの商品をターゲットにした爆破テロの発生を食い止め、犯人を突き止める話。話題になっていたのと、友人のオススメもあって久しぶりに映画館へ。
まず冒頭の数十秒間でガッツリ心を掴まれた。演出と音楽がカッコよすぎる。この時点であ、コレ面白いわと確信した。演出と音楽がカッコいい映画は名作と相場が決まっている。
それと今更すぎてわざわざ言わなくてもいいだろうけど、役者さんの演技力の高さよ。特に物流倉庫のセンター長である主人公・舟渡を演じる満島ひかりの凄さたるや。
少しネタバレすると、いつも澄ました顔をしている彼女が中盤辺りに一瞬顔を歪ませて目尻に涙を溜めるシーンがあるんだけど、そこから普段の彼女に戻るときの「切り替え」の演技。ここがとにかくスゴい。観た人に話したらきっと「ああ、あそこね」と分かってくれるはず。それぐらい度肝を抜かれた。
あと本作は『アンナチュラル』や『MIU404』と世界線を一にしてるから、劇中にそれらのドラマの登場人物が本人役(使い方正しい?)として登場する。正直私はどちらもほとんど見たことなかったのだけど、やはりそういったクロスオーバーは知らなくてもテンションが上がった。というよりクロスオーバーだなってすぐに分かる。特にMIU404は全く知らなかったのだけど、急に期待を煽るようなカット割りで綾野剛と星野源が出てくるもんだから、そのネームバリューの高さ含めて「あ、この二人がMIUの二人なんだな」とすぐに分かった。
ちなみに知らなすぎて綾野剛が綾野剛だとしばらく気づかなかったし、その隣にいる男が星野源なのか田中圭なのかしばらく分からなかったことは内緒。
※参考
総括として、めーーちゃくちゃおもしろかった。
正直、本作に込められたメッセージをどう価値観や生活に反映させられるかは、まだ見いだせていない。
でもECサイトで注文するときや宅配業者から荷物を受け取るとき、あるいは荷物を開封するときなどに、ふと本作を思い出して、危機感を強めたり、劇中に生きていた人たちの悩みや生き様に思いを馳せるだろう。
そして小さいながらも何かしらの変革が、自らの中に起こるかもしれない。
そうやって、日常の何気ない光景のひとつひとつに物語という新たなフィールドが接続されて、心の世界がより広がり豊かになるのは、とても素晴らしいことだなと思う。それもフィクションの持つ力なのだろう。
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