自由の主体として生きる

  『子育ての哲学―主体的に生きる力を育む』の著者である哲学者の山竹伸二氏は、自由の主体を、『自らの自由な意思で行動を決定し、その責任を担うことのできる人間』と定義し、自由の主体として生きることが喜びの源だと言われています。そして、どのような保育実践が『自由な主体を育むのか』を明らかにするために、先進的な試みを続けている保育園を視察されているそうです。

 『自由の主体』まさしく、私が目指している子どもの姿ですが、そんな子どもを育てるために、どんな保育をすればいいのか、どんなかかわり方をすればいいのか、日々悩みながら問い続けているところです。

 昨日の茶話会で、子どもの主体性を尊重することが小学校以上の学校教育にどのように関わってくるかについての話が出たそうです(私もその中に入りたかったです)。小学校と高校の先生をされている保護者の方が、子どもの主体性を尊重すると、自分で考えて行動するようになるので、乳幼児期においても大切なことだと思うとおっしゃってくださったそうです。

 管理され、指示される中で育っていると、小学校に入学した途端、何もできなくなってしまう子がいるそうです。指示をされないと、何をしていいかわからなくなってしまう、逆に指示がないと勝手なことをする子もいるそうです。

 子どもの主体性を尊重する・・・好き勝手に育ってしまうと思われがちですが、最初に書いたように、自由な意思で行動を決定することと、その責任を担うという両方が求められます。自分で決めたことなので、その結果困ったことになれば、自分で考えて再び行動しなくてはならなくなります。だから、子どもはしっかり考えるようになるのです。小さいころから、自分で決めることが当たり前になること・・・集団保育の場だからこそ、できるだけたくさんその機会を保障することが、私たちの役割だと思います。

 以前勤めていた保育園は、周りの園も小学校も、みんな一斉に行動することを良しとする風潮でした。小学校の参観に行くといつもがっかりして帰っていました。そんな中で、福岡市の小学校に勤務してあるお母さんだけは、いつも私が目指している子どもの主体性を尊重する保育を支持してくれました。

 新しい場所で、支持をしてくださる保護者の方がいらっしゃるのがわかって、本当に心強いです。力が湧いてきます。


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