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農業は稼げない業種なのか?

農業は「きつくて、汚くて、稼げなくて、格好悪くて、結婚できない」の5Kと言われています。

その中のひとつ、「稼げない」は本当でしょうか?

まず、農業がニュースにあがるときは、主に自然災害でダメージを受けたときです。台風だったり、大雨だったり。
農業者にインタビューして「農業を続けられない」的なコメントをもらいます。
後は、高齢化や後継者がいないといった情報が多いです。

そういった情報もあり「農業=稼げない」という話は、
実際に農業に携わっていない人には納得できる感じがしますね。

では、実際の話。
Q:「農業は稼げますか?」
A:「稼いでる農家もいるし、稼げない農家もいる」
ということです。

日本は農業をどこか「特別な特殊な仕事」のように扱います。
確かに、会社でのデスクワークと比較すると、環境が全然違うので、
あまりイメージしにくい仕事のように感じられますが。

でも、農業は数ある業種の中の一つでしかないと思っています。
ですので、ちゃんと経営している人は稼いでいるし、
そうではない人は稼いでいません。
作業の内容は違いますが、稼ぐか稼がないかは他の業種と同じだと思います。

■「稼ぐ」と「儲ける」が混同しちゃうから
「稼ぐ」と「儲ける」の違いは
・「稼ぐ」・・・地道に働いて収入を得る
・「儲ける」・・・予想外の利益を得る、うまく利益を得る

しっかり経営すれば、農業は「稼ぐ」ことはできます。
ただし、儲けようとすれば、作物を作って販売するだけだと、
かなり難しいかと思います。
※儲けるためには、モノを売るだけじゃなく、無形のサービス提供で収入を得ることも考える必要があります。
(営農指導や、セミナー、コンサル等)

つまり、「農業は稼ぐことはできるが、儲けるのは難しい」となります。

「仕事は定時内終わらせ、休日はしっかり欲しい、給料は平均以上欲しい」
と考える人が昨今は多いので、地道に「稼ぐ」仕事は好まれないかもしれません。
そういう理由もあり、農業は不人気な業種なのかもしれません。

■農業の定義が変わってきた
「農業は稼げない」と思われる最大の理由は、
「収入が少ない」=「所得が少ない」というイメージだからだと思います。

収入が少ない理由はなんでしょうか?

一番の原因は
「作物を出荷する際、価格決定権がない」
だと考えられます。

市場では買い手が値段を決めます。
買い手の言い値で出荷せざるを得ません。
※実際には競売なので、相場で価格が決まりますが。

かかった経費にかかわらず、値段が決まってしまいます。
経費は固定費で決まっていますが、売上は出荷してみないとわかりません。
相場によって、再生産価格を大幅に下回る場合もあります。
当然、下回った場合、赤字になります。

いくらで売れるかわからないから不安定で、リスクがあると思われるのです。
自分で価格を決めるためには、自分で売る、営業する必要があります。

以前の農業は「農作物をつくること」でした。
良品をつくることが目的で、売るのは農協などに任せっきり。
収入が少ないのは、農協のせいだ!など言ってたり。

今の農業は「つくること」だけではありません。
農作物を作り、出荷し、入金するところまで管理する必要があります。
自分の希望する価格(再生産価格)で販売するために、
営業することも必要ですし、営業経費も考える必要があります。
今の農業は営業も、経理も大事な仕事のひとつです。

新規就農して稼いでいる人は、
就農する前に営業経験があるとか、営業することに抵抗がないとか、
自分をアピールし、自分で販売することに遠慮がない人が多いです。
自分の納得できる価格で販売するために、営業というスキルは必須です。

極論として言えば、良品だろうがなかろうが、
しっかりお金にかえられる人が稼ぐ人です。

良いものを作れば売れる、というのは夢物語で、
売れるためには、みずから売らなければいけません。

しっかり稼ぐ農家になるためには、
「営業」を身に付けるのが一つの手段です。

ちなみに。
営業は、どんなにビジネス本を読んでも身に付きません。
いろいろな営業テクニックはありますが、
実践することでしか身に付きません。

「営業は苦手だなぁ」
という人は多いと思いますが、自分の作ったものを売って、
それで生活しなければいけないと考えれば、
苦手だからって、避けることはできないと思います。

でも、自分の作ったものを営業するって、
思ったよりも苦ではないし、楽しいと思いますよ。

本日はここまで。
読んでいただき、本当にありがとうございます。
農業に少しでも興味をもっていただければ幸いです。

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