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OGRE YOU ASHHOLE@日比谷野外音楽堂 ライブレポ&エッセイ その①

~野音に着くまで~

京王線、笹塚駅から京王新線のトンネル内に列車が突入すると、体が「異端な空間」に放り込まれた感覚につつまれる。列車の振動、車輪とレールが摩擦することで生まれる騒音がイヤフォンの表皮にまとわりつく。視界は窓ガラスに写る自分の顔、車内の照明及びせわしい広告、トンネルのダークグレーの配色に限られてしまう。決していい心地とは思えない。

都営新宿線、神保町駅で下車し、三田線に乗り換え日比谷駅へ。駅に到着するやいなや、黄色い案内看板を目で追いつづける。日比谷公園方面の出口をいち早く探さなければならない。早くしないと、身体の根底に住み着いた”方向音痴的感覚”が目を覚まし、暴れだしてしまう。したがって、この作業は間髪入れず、すぐさま実行しなければならないのだ。ぼくは、視覚だけを頼りに、かの暴れん坊将軍を取り押さえることに成功。見事、地上に脱出することに成功した。

ここからは、グーグルマップ大先生のご指導のもと、日比谷野外音楽堂を目指すことに。

無事、15時過ぎに日比谷野外音楽堂に到着。急ぎ足で物販の列に並んだ。

9月中旬らしからぬ、昼間の強い日差しは収まり、乱雑にちぎられた灰色の雲が、青とはいえない空を不器用ながらまんべんなく覆っていた。非常に雑な覆い方。僕が仕事を毛嫌いしているように彼らも"仕事として"雨を降らす事に嫌気がさしているのではないだろうか。ビール瓶のラベルを揃えて冷蔵庫に並べない、バイト中の自分の姿が頭に浮かんだ。ただ、もう少し鮮やかな色をもらってさえすれば、彼らの仕事のモチベーションもアガっていたかもしれない。物販の列で待機している間、不意なことが頭に浮かんだ。これからライブ鑑賞を控えているぼくにとっては、アガってもらっても困る話だが。なんせ日比谷野外音楽堂には屋根がない。

雲に少しばかり同情し終えたそののち、無事に会場限定CDとタオルを購入。あとは開演まで待つだけだ。売店でお菓子を買い、トイレを済まし、石段に座る。ここまで一連の動作に見えるが、ぼくの身体には、かの暴れん坊将軍が居候しているので、だいぶ時間がかかってしまった。

やがて、整理番号が呼ばれ入場することに。

つづく

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