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保険の営業で心が折れた話②

私が保険営業に異動したのは、コロナがまだ何者かわかっていなくて、世間が混乱していた時期。
4月から予定されていた外部の研修もなくなり、活動の自粛期間もあった。
そんな中始まった営業生活。

取り扱う商品は、生命保険、建物保険、自動車保険と多岐に渡る。
活動自粛の間、とにかく保険の知識をつけようと家に帰ってからルーズリーフに研修で教えてもらったことを毎日まとめていました。
お客様に失礼のないように。
まずは私が説明できるようにならなくちゃ。
休日もあいてる時間は毎日毎日復習しました。

先輩と年間のノルマを月単位で割って、1ヶ月にどのくらい数字をやらなければいけないのか考えて本部に提出します。
研修期間なんて関係ありません。
今月はこれだけやってね!と。

よーい!どん!で同期は走り始めていました。
とんでもないスピードで。
え?1日同じ研修受けてたよね?
いつ契約してるの?
え?!夜?!土日?!

すでに私は焦りまくっていました。
やばいやばい。どうしよう。
とにかくお客様の家に訪問しないと。
アポの電話をたくさんいれないと。
よくある、お客様の契約内容の確認させてくださいの約束をとりつけなければ…!

先輩によって、丁寧に指導してくれる人とそうでない人がいる。
私は…相性があまり良くなかったです…。(こっそり)
結果、人間関係にも頭を悩ませることに、、

4月からとにかく必死でした。
頑張れば、出来るようになるはず。
お客さんのライフプランに合わせて一緒に保険を考える仕事なんだから。
きっと役に立てるようになる。
喜んでもらえるようになる。
やりがいもありそう。
頑張れわたし。

だけど、訪問してお客様と何を話したらいいのか、具体的な想像ができませんでした。
同僚に話を聞くと、何度か先輩に同行してもらっているよ。との返事。
そうか。もう少し同行させてもらえないか聞いてみよう。先輩にお願いしてみることにしました。

「邪魔なことは承知しています。普段どんな感じでお話しているか勉強させてもらいたいです。もう少し、一緒に着いて行かせてもらえませんか?」

ドキドキ。
先輩は間髪入れずに答えました。

NO!いや!むり!

まじか。

さらに、こんな回答をされたこともありました。

「同行することで簡単に数字とれると思ってる?そんなんなら一緒に行かないほうがいいよ。」

瞬間、呆気にとられすぎて言葉を失う。
今この人は何を言った?
数字をとるために利用してると思われた?
悲しい。悔しい。
1ミリもそんなこと思っていない。
ただ早く仕事に慣れて、ひとり立ちできるようになりたくて、そういう想いからの言葉だったのに。
この人には伝わらなかったんだ。
涙が出そうなのをぐっと答えて奥歯を噛み締めた。

「……わかりました。」

そう言うのに精一杯でした。

そんな状況が続いていたので、見かねた違う店舗の同期や先輩が、内緒で私を勉強のために連れ出して同行訪問してくれたり、担当のトレーナーが話し合いの場を設けてくれたりした。
情けないなぁ。大人にもなって。

先輩は、私が新任の担当者で周りから助けてもらったり、優遇されるのが不平等だと感じていると話していた。

面と向かってものすごく負の感情をぶつけられ、仕事内容の他に悩む理由が増えました。

②へ続く


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