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保険の営業で心が折れた話⑤

1年。
たった1年。長かった1年。

結局、ノルマを達成することはできませんでした。
気持ちの面では途中で投げ出してたのかもしれません。

「りんごあめさんができない分、どうやって割りふる?誰がやる?」

ドクンと、心臓が痛い。
私ができない、でいいじゃん。
なんで周りの人がそれをカバーしなきゃいけないの。
それが1番嫌だった。
やめてよ、こんなの苦しすぎる。
年度末が近づく度に話し合いをして、報告をする。
心と身体が離れ離れになりそう。
申し訳なさすぎて、顔を上げられなかった。
息も潜めていた。

人間こんなに向いていないことがあるんだなと。
だって直接怒鳴られたり、文句を言われたりすることはなかった。
応援してくれて、協力してくれる人がたくさんいた。
それなのに、自分でどんどん深みにはまっていった。
惨めだった。
このまま保険の営業を続けていくなら

もう、辞めよう。

そう思った。
私なんてどうでもいい人間で、使えない人間だと。
いても迷惑がかかる。役に立てない。
完全に心が折れた瞬間だった。

紆余曲折あって、2年間は内勤として会社に残ることになりますが、最終的に退職を決めたのはこの出来事があったからでした。
今でも心がひっかかります。
なんでもっと前向きになれなかったんだろう。
開き直ればよかったのに。
心のない返事をして、だらだらお給料をもらいながら続けることもできたのに。
だけど、こんな気持ちのままあと数年を過ごすことが嫌だと思った。

組織は変えられない。
変わると言っても時間がかかる。
社内派閥も多くて、みんな流されている。
だったら、私が離れないと。
私が変わりたくても、組織は変わらないから。

今は退職し無職の日々を過ごしていて、めちゃくちゃ落ち込む日もあれば、家族や友達と楽しく過す日々もある。思い返せば私は自分に期待しすぎていたのかもしれない。やればできる。いつかできるようになる。繰り返していたら、愚痴ばかりで他人に優しくできなくなっていた。ノルマのせいで欲深い世界も見た。欲って、変なベクトルを向くと凶器になる。黒くてドロドロしている。今はいったん離れて、心を整理してる途中だ。

長くなりましたが、読んでいただいてありがとうございました。

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