一生ものを、つかう。
不便で手間がかかるけれど、実直で素直な性能にほれ込んで選んだ製品は、プラチナ触媒カイロ。
1923年に的場仁市氏が開発してから100年近く構造は変わっておらず、燃料補充が必要な点や、ライターで酸化反応を起こさせる使用手順も変わっていない。いわばカイロ界隈のレジェンド的存在で、いまでは世界でリプロダクトされ販売されている。
プラチナ触媒の口火を外して中の脱脂綿にオイルを吸わせると、ケミカルなにおいが鼻先をくすぐる。口火をして、ライタ ―で炙ったプラチナが赤々と輝くとき、物を使っている感覚にうっとり。
すぐにリネンに包んで懐に入れると、じんわりと温まる。安心の暖かさにセーターを一枚剥ぐように脱いだ。
懐にひとつ、あたたかい物を抱くだけでこんなに身軽になるなんて。
触媒はシーズンごとに消耗するが、すべての部品が簡単に交換できる。一生ものとして持つ人も多いとのことだ。
今年の冬も、使うよ。
その先も、よろしくね。
1円玉に両替して貯金します!!