教師の名言・格言 その1 「物理実験は大規模に。化学実験は小規模に」 「努力はたし算、協力はかけ算。」 「百聞は一見にしかずと言うが、百聞があるから、一見の価値がある。」
教職についていると出会ったり、浮かんだりする言葉があります。それらを自分なりに名言・格言としてみました。
No.001 「物理実験は大規模に。化学実験は小規模に」
理科の実験で覚えておくべき言葉である。
理科の実験は、物理の実験と化学の実験の二つ。
これらの実験をするときのポイントである。
6年の「ふりこの実験」で例をあげよう。
机の上で小さいふりこの実験器具を使うのはよくある。教科書や実験器具もそのようなものが多い。
しかし、先ほどの言葉を使うなら、天井から1mや2mのロープをつり下げ、5kgの錘や10kgの錘を使う方がより迫力がある。
また、時間を計るのも多くの時間がかかるため、計りやすい。
全員が見て、計れるというメリットもある。
また、「てこの実験」では自動車を使うという方法もある。
10mの鉄の棒を自動車のジャッキ受けの部分に差し込み、支点の場所を長くしたり、短くしたりしてそれぞれの力の大きさを体験する。
自動車を人差し指で動かせる体験もこれでできる。
これに対して、化学の実験は少ない量で行う。
理由は簡単で、量が少なければ、化学反応も小さいため。
これは、危険回避を意味する。
特に、爆発の実験などは、少量でなければならない。
今まで、何件か試験官が破裂してケガをしたり、刺激臭の強いガスが出て、気分が悪くなったりした事故も起きている。
食塩やホウ酸を溶かす実験も100℃のお湯を大量に使用したほうが分かりやすいが、
お湯の量が多いと、なかなか冷めないばかりか、排水溝に流すときにやけどの危険度が上がる。
実験は細心の注意を払い、安全にしなければならないため、化学実験は小規模の方がよい。
No.002 「努力はたし算、協力はかけ算。」
子どもへの話しかけの言葉である。
コツコツと努力することは大切であるが、その成果は一つ一つの積み重ねでしかない。
毎日、毎日積み重ねるために「1+1+1+…」となる。
目標達成までは、一つずつ成していかねばならない。
また、成すことでやり遂げる成就感も得られる。
この成就感を味わわせる影響は、後々の子どもの成長には欠かせない。
一人では難しい目標には、仲間との協力が重要になる。
2人では「2×2=4」。
3人では「3×3=9」となる。それ以上になることも多々ある。
人が増えれば増えるだけ、より大きな目標を早く、そして確実に成し遂げられる。
目標を達し、成し遂げた時に、大きな成就感を得るとともに、仲間と力を合わせた喜びを得ることもできる。
助け合い、協力し合う大切さを知ることにもつながる。
これは、子どもが何かの目標を成す時に必要な言葉と言える。
No.003 「百聞は一見にしかずと言うが、百聞があるから、一見の価値がある。」
例を一つ上げよう。
旅行前に、本やネットでいろんな現地の情報を仕入れる。
しかし、旅行に行くと調べた内容以外のいろんなものが見えてくる。
それは、調べているから分かることであって、何も調べずに行ってもそこまで見えていないだろうと思える。
調べて知っているから、自分の知識と現場の様子との相違点が見えてきたり、同じであったと再確認できたりする。
「比較」というキーワードが考えられる。
事前調査をすることで、見る観点が決まり、より詳しく見ることができる。
もう一つの例を上げよう。
スーパーマーケットの見学である。
事前に調べていなくとも、実際にスーパーマーケットに行って、見学して様々な品物が並べて売っていることは理解できる。
だが、事前に見学の視点を絞りこんでいると見方が違ってくる。
入り口付近と奥に置いてある品物の違い。
おススメの売り出し商品とそうでない商品。
野菜類や肉類の展示場所の違い。
店は時計回りと反時計回りのどちらが買いやすいか。
ポップの書き方や写真の有効な使い方。
など、数多くの商品を売るための工夫が、視点を持つことで見つけられる。
見学での学習効果はより高まる。
社会科の学習には、体験学習は不可欠だが、体験だけでは十分とはいえない。
やはり、事前に「何について調べるのか」という課題を持たせなければより深い学びにはつながらない。
働いている人に対する質問も、より深いものであれば、より真剣に答えてくれるものである。