教師の名言・格言 その28 No.034 「スラスラと音読させることが、読み取りの基本」
No.034 「スラスラと音読させることが、読み取りの基本」
とにかく読ませる。
国語の基本。
新任2,3年は漠然と本読みをさせていた。
意図することなく。
しかし、何度も何度も読ませた物語文では、子どもたちの物語の読み取りは、しっかりとできていた。
時間がなく、あまり読ませられていなかったときは、散々だった。
テストのために勉強をしているわけではないが、そういった事実があった。
そこで、本読みは大切なんだと思うようになった。
ここでは、「音読」と書いている。
上記は、「本読み」。
「音読」であるから、声に出して読ませる。
声に出させることで、自分で発音し、自分の耳で聞く。
また、教師や友だち、保護者も聞ける。
漢字の読み方や、発音の仕方、抑揚のつけ方などが聞ける。
間違っていれば直せる。
だから、「音読」である。
「黙読」ではない。
話をもどそう。
国語に限らず、社会科でも理科でも家庭科でも道徳でも音読させる。
「読み取り」と書いてあるので、国語を例にとる。
物語文、説明文が主な読み物。
数多く音読させることで、8割方学習は終わったとみてよい。
物語文で説明する。
数多く読ませ、スラスラ音読できるようになると、物語の内容を覚える。
また、その物語で使われている日本語の「言葉」を覚える。
まず、「内容」から。
基本は5W1H。
「いつ」「どこで」「だれが」「何を」「どうした」「なぜそうなった」
の他に、
「どう思った」「どんな出来事があった」「出来事がいくつあった」「どんな登場人物がいた」「どんな人物だった」「情景はどんなだった」をおおよそ理解する。
それを出発点として、心情変化や場面の大きな転換点、終末への移り変わりなど深い学習ができる。
次に「言葉」。
何度も読むと、言葉を覚える。
例えば、「まさに、飛びたとうとしている。」
という文。
「まさに、………としている。」
が、頭の中に入る。
日常の会話の中に使うか、使わないかは別として、このような言葉の使い方があるのだというのを知る。
これが大事。
日本語の使い方を知る。
また、最初にも述べたが、早い話、テストに出た時にどれだけ言葉を知っているかどうかで、正解するか間違うかである。
身も蓋もない言い方である。
でも、テストで○をもらうのと、×をもらうのとでは、子どもの気持ちは大きく違う。
国語が好きになるか、苦手になるか。
できるなら、全部に○が入り、100点を取らせてやりたい。
そして、好きになってもらいたい。
「言葉」をたくさん知ることで、蓄積することで自分が文章を書く時にも使える。
使う言葉の選択肢が増える。
子どもに限らない。
教師も文章を書く。それも数多く。
そのためにも語彙、語句の使い方、言い回し方法をたくさん持っておかねばならない。
指導案を例にとろう。
「自分から進んで発表する児童は少ない。」
より、
「自分から進んで発表する児童は多くない。」
「自分から進んで発表する児童はあまり多くない。」
「積極的に発表する児童は多くない。」
と、「少ない」という表現方法より、「多くない」などの使い方がよく用いられる。
上記の文も同様。
「などの使い方がよく使われる」となると、「使う」という言葉が2度出てくる。
だから、「用いられる」といった言葉に置き換えている。
子どもの他に教師にまで文章が脱線してしまった。
以上のように、まず音読をさせなければならない。
当然、家でも読ませるが、サボる子どももいる。
授業中に音読をし、チェックする。
スラスラと読めていなければ、休み時間に読ませる。
教師の前で音読させる。
教師もなかなか時間はとれないが、やりくりしてその時間をつくる。
子どもには、スラスラ読むことが勉強には必要であることを教える。
その努力を教師はしなければならない。