半年かけて、映画「ユージュアル・サスペクツ」を見た。

タイトル通りである。
※ ネタバレ的な言い回しあり。
※ 「大どんでん返しモノ」なのでまだ観ていない方は閲覧注意。

「ユージュアル・サスペクツ」を見始めたのに何回見ても進められず、なんと半年も経ってしまった。
(ざっくり「半年」とタイトルにしたが、記事を書いた後に改めて確認したら、ほぼ1年かかっていた。)

amazon primeで1500円で購入したのだが、今、確認したらNetflixで配信されていた。
勿体無いことをしてしまった。

あらすじはひょんなことから出会った前科者の男5人(4人?)組が薬物を運ぶために港に停泊している船から薬物を奪おうと船の持ち主であるグループを襲った事件。
相手グループと抗争になり、5人組のうち事件後に唯一生き残った男、キントがこの謎の多い事件について
刑事から事情聴取を受けながら回想式にストーリーが展開していく。

我ながら酷いあらすじである。
本当にごめんなさい。
気になる方は調べてみていただきたい。

映画をなかなか観進められなかったのは私の集中力の無さもあるが、仕事のストレスがヤバすぎて
映画を見る気力がなかったというのが生々しい理由である。
(ちなみに今は、遅ればせながら職場のヤバさにやっと気付いて、
もう辞めようと考え始めたのでどうでも良くなってストレスも治まってきた。)

結局、感想としては、「なんかよくわからんけど、そういうことか」という感じである。

「訳あり」のワルのおじさん達と、ワルじゃないおじさんたちが出てくる。
おじさんのうちの一人の恋人の女性以外は見事に全員おじさんなので、
人の顔を覚えるのが苦手な私にはもはや誰が誰だかよく分からなかった。
ストーリーと場面転換でなんとなく察して、人物を把握していた。
(日本人の顔はかろうじて覚えられていたが、若い男女の顔はもう覚えられなくなってきている。)

2時間とかの映画を半年かけて観たために記憶が飛ばし飛ばしでよくわからなかったが、
しかし、とりあえず「キント」役の人の演技がめちゃくちゃ上手い。

それだけは素人目にも分かる。
しかも、最初からそうなのではなくてクライマックスに向けて徐々に
「この人、なんか違うぞ」感を醸し出してくるのである。かなりスゴい。

コロコロ変わる表情、細かな目線や動き、声色の抑揚や言い回しなど、
言葉や文化が違えど、伝わるモノはある。

あと、この映画を見て思ったのは、
「雰囲気に呑まれてはいけない」
「違和感を無視してはいけない」
「一歩引いてみて分かることがある」
ということである。

それって、普通に生きていても起こる可能性があることである。

「普通に考えたらこうだろう」とか「こいつは前はこうだったのだからこうに違いない」とか
「こういう奴はこういうパターンが多い」とか
「ん?まあ、気のせいか」とか思うことは日常の中では結構、多いと思う。でも、そこが危ないのだと気付かされた。

経歴とか関係性とか雰囲気とかそんなの、自分が知る一面でしかないし、「知っている」つもりでも実際に見たことはないし、ということはザラなわけで。

「肩書き」や「職業」、「地位」、「常識」や「普通」というもので上手く誤魔化して、
とんでもないことを言ったりやったり考えたりする人がいる。

そういう人ほど「マトモ」そうに振る舞い、違和感を覚えたこちら側のことを「お前は疑うのか」と罪悪感で支配してくる。
これ、結構怖い。
しかも大事な場面でこれが起こると割と焦る。

関係ないが、めちゃくちゃ有名なハリウッドスターだって、インタビューやゴシップ誌で
どんな人なのかなんとなく人物像を掴んでいるつもりではあるが、
実際その人に接したこともないし接したことのある人にも会ったことがないし、
そもそも実際にその人がいるのかどうかすらわからない、なんてこともある。

素直であることは良いことなのだろうが、あまりにも騙されやすいと間違った方向に進む可能性が
あることは、歴史を学んだりここ数年の世間を見つめたりしていると分かるわけで。

大事なのは気付いた瞬間にどうするか、ということである。

一番良くないのはプライドが邪魔するばかりに過ちを認めることができず、
知らんフリをしてスルーしたり、他人を責めてブチ切れたりすることである。
どんどんドツボにハマり、相手の思い通りになってしまう。

私はプライドを捨てて、考え直し、どこで間違えたのかを見つめ直してそこからまた始めることにしようと思う。
(自分がちゃんとそれを出来ているとは思わないが、心がけるようにはしている。)

面白い映画だったので、おすすめである。
直接的には現実にありえないかもしれない内容だが、どこか心当たりのある人もいそうなストーリーだ。

最近、少し時間ができて、いろんな映画を見られそうなのでまた何か観たら書きたいと思う。

私の拙い文をここまで読んでくださり、ありがとう。

では、また。

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