神様を満足させられるのは自分しかいない【本の紹介】
以前、「お探し物は図書室まで」という本を読みまして、
連作短編小説なのですが、読んで気づかされることがたくさんあって、他の本も読んでみたいと思い作者の青山美智子さんの本を図書館で片っ端から予約しました。
そして今回読んだのが「ただいま神様当番」
こちらも連作短編小説です。
できればネタバレなしで書きたいのですが、感想を書こうとするとどうしてもネタバレになってしまうのでこれから読みたい方はスルーしてください!
とりあえずAmazonにも出ているあらすじです。
この「神様」がとってもあやしいおじいさんなのですが、なんだかかわいくて憎めないというか、とっても愛らしく思えるのです。
愛らしいおじいさん…。
勝手に出てきて、勝手にお願いをされるのですが、そのお願いを叶えて神様を満足させられないと腕の文字が消えないのです。
どうしたら神様を満足させられるのか?!
ということでここからネタバレありの感想ですが…
神様が出てきて「わしを楽しませて」と言った時から、この神様って実は自分自身なんじゃないの?と思いながら読み進めていたのですが、、
やっぱりそうでした!
何か楽しいことないかなあ〜
って口癖になっている人とかいませんか?
私も昔はよく言っていました。
楽しいことを見つけるのもそれをするのも、本当は自分しかいない、自分を満足させられるのは自分だけなんですよね…。
自分は持っていない、とか、なんでこうじゃないんだ、とか、ずっとそう思っていたことが、自分の見方を変えれば、自分が求めていたものは実はもうすでにあったとか、こんな考え方もできる、とわかるんですよね。
そういうことを、お話を読んでいると気づかされるんです。
神様が「神様」なのも、自分を神様として扱うってことなんじゃないのかなあ。
連作で楽しみな登場人物の繋がりを発見するのが面白かったり、クスッと笑えるところもあって、どんどん読めてしまいました。
やっぱり青山さんのお話は面白い!
最後の神様の
「世の中っていうのは、たいがい誰かのおとしものでできているんじゃ。最初から自分のものなんてなにもないんじゃ。」
「人はみんな、誰かが落としていったりわざと置いていったりしたものとめぐりあい、やむくもに欲しがる。でも、ただそれを拾うだけでは自分のものにはならないんじゃ。憧れて学んで真似して、自分を生きながら自分だけのものにしていくんじゃ。だけど、そのうち自分も誰かの前に何かを落としていることを知る者は、ほとんどいないのかもしれんの」
という言葉にハッとしました。
そうだ、私のこの命だって父と母からもらったもの。もとから私のものではなかった。
でも私を私として生きてきて、私のものにしてきた。
私も誰かの前に落とし物をしてきているといいな、と。
はああ、いいお話が読めました。
少し前に読んだ「鎌倉うずまき案内所」も面白かったです。ナイスうずまき!
他の作品も読むのが楽しみです!
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