5月16日

生きていてごめんなさい、と部屋で一人こぼす。
生まれてきてごめんなさい、と空に一人佇む。
どうしようもなく溢れてくる懺悔が私を包む。

何もない。

何もないのだ。

くらがりの中から、無数の目がジッと私を見つめている。

私を罰してくれないか。

そうして救ってくれないか。

囁く。
蠢く波が足もとをさらう。

私を罰してくれないか。

そうして救ってくれないか。

囁く。

私は動けない。

罪をおくれ。

憐憫を味わわせておくれ。

囁く、囁く、囁く…。

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