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サンスクリットの継承者

【文字数:約800文字】 ヘッダー画像の提供元:illust AC

 先日にラジオを聴いていると、「あいうえおのルーツをたどる」という特集があった。

 ちょうど「#2000字のホラー」のお題企画で『ぉねがぇぃまぅ』を書いていたこともあり、文字の起源について興味があった。

 おおよその内容としては、ひらがなの五十音図は石川県の僧侶、明覚上人が平安時代は中期の終わり、1093年に作ったものらしい。

 その理由が2つあるそうで、1つは仏教を学ぶための経典を漢語ではなく、サンスクリット語の原文で読むため。

 もう1つは当時の日本語が乱れていると憂いたからとのことで、後者のは近年においても聞いたことがあるような。

 とにもかくにも勉学に資するべく生み出された五十音図は、時代と共に変遷しつつも現代に到り、日本語を学ぶ基礎として受け継がれてきたと。

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 ラジオの特集では五十音図が作られる前、同じものを地域によって違う言葉で表す、今でいうところの方言が数多く存在しており、理解を共有するのが難しかったらしい。

 当時は読み書きができるのは一部の人々に限られ、大多数の庶民は話し言葉だけしか扱えなかっただろうし、こうして書いたものは「奇妙な落書き」と認識されるような気がする。

 今でこそ読み書きができるのは当然のように思われがちだけど、私の母方の祖母は小学校すら満足に通えなかったそうで、ほぼ読み書きができなかったと聞いている。

 時代は流れて現在、ひらがな、カタカナ、漢字の3種類を私が扱えるようになったのは、多くの人と同じように就学前からの勉強あってこそだ。

 何かしらの勉強なくして言語は習得できないけれど、今こうして当然のように日本語と呼ばれる難解な言語を扱っているからには、まったくもって不可能というわけでもないだろう。

 趣味レベルながら、今後も細々と勉強を続けていきたいと思うのだった。



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