人生に60%の後悔が含まれるとして
【文字数:約1,000文字】
冬の間に落ちていた骨格筋率が40%を超えた。
人間の体は水分が60%を占めると聞くけれど、今の私は筋肉と水分のみで構成され……ココはドコ……ワタシはダレ……?
実際は筋肉の中にも水分があるだろうし、測定器が古いので参考程度に留めている。
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数値だけ見るとボディビルダーかと勘違いされそうだけれど、現実の私は細身な体つきをしており、たぶんそれは自転車乗りの宿命ではないかと思う。
長く有酸素運動を続けるのが脂肪の燃焼に良いとされ、自転車は足腰への負担も少ないのでダイエットに最適だと聞く。
走っているうちに体が出来て楽な姿勢を保てるようになると、さらに疲れにくくなって永遠と乗り続けられてしまい、故に悪魔の乗り物だと言われる。(諸説あります)
そんな自転車に注目が集まったのは私の知る限りで3度あり、直近だと感染症対策として通勤を自転車に切り替えるという動きがあったそうな。
そう言われれば何となく通勤時に見かけることが増えたような。
2度目の注目は舞台化もされた、渡辺航 著『弱虫ペダル』のヒットだ。
何となく近寄りがたいイメージというか、「ママチャリで十分じゃね?」な空気だったのが一気に市民権を得た。
少なかった女性ファンが高価なロードバイクに興味を持ち、メーカー側も熱い期待を寄せていると私の目には映った。
実際は自分が乗るのではなく、乗っている人を見るのがいいという結論に至ったらしく、買った自転車を手放したという話を伝え聞く。
そして私の知る1度目の注目は東日本大震災だ。
電車が止まるなどして移動手段を失い、自分の足を使う自転車が見直された結果、町の自転車屋でも品切れが発生していた。
これを書いている私も震災がきっかけで趣味とするようになり、100kmを週2で走るだけに飽き足らず、ついには整備士の資格まで取ってしまった。
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もしも節目となる出来事がなければ、今の生活すべてが別のものになっていただろうし、骨格筋率が40%を超えている人間をバケモノだと思っていたかもしれない。
まさか自分がそのバケモノになるなんて、過去の私が予期できたはずもなく。
ニンゲン、コワイ。
ダカラ、ニゲル
オレ、ヨワムシ。
昔の決定や行動を振り返って後悔するのは日常だけれど、少なくとも私は自転車を道具としてだけで見なくなり、確実に世界が広がった。
これからも服のサイズを変えないため、何よりも楽しみのため、私は自転車に乗り続けることだろう。
コウカイ、ナクナラナイ。
デモ、イキテル。
ミンナ、イキテル。
ソレガ、イチバン、ダイジ。
なかまに なりたそうに こちらをみている! なかまにしますか?